山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

植物

「徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか」稲垣栄洋著 続き,味噌の話

本書を読み進むと,城には植物の知識を利用して武器や食料となる材料で築城し,兵糧攻めに耐えられる工夫や忍者も様々な植物知識をもっていたとか興味深い話が続きます. 味噌の話になって,味噌と戦国の武将が深く結びついているとは知りませんでした. 本…

良書の紹介「徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか」稲垣栄洋著

表題の本を読んでいる最中ですが,なかなか面白い内容なので紹介します.本書を手にしたときはあまりあまり期待していなかったのですが,出だしの部分を読み始めると,興味ある話題が流れる様に関連性をもって紹介されていきます. 流し読みのつもりで読み始…

日本茶の歴史と種類について

昨日はチャノキの話でした.今日はチャノキの葉を飲むお茶について,日本茶を中心にお話しします. 日本茶の歴史 お茶は奈良,平安時代に中国から遣唐使や留学僧によってもたらされました.815年「日本後記」が最も古い喫茶の記録とされています. その後,…

第47週の花 チャ(お茶)

毎日飲んでいるお茶.お茶と言えば,「夏も近づく八十八夜」のイメージがありますが,あれは茶の葉の摘む時期で,花は11月後半頃に咲きます.お茶の花は茶畑に行かないとないかと思っていましたが,近所の公園に咲いていました.初めてみました.今日はチャ…

第46週の花 サザンカ(山茶花)とカンツバキ(寒椿)

「さざんかさざんか 咲いた道 たき火だ たき火だ 落葉たき」の歌でみんな知ってるサザンカは北風がぴいぷう吹いて,たき火の季節に咲きます. 最近ではたき火は見かけなくなりましたが,サザンカは垣根に多く見かけます.サザンカの咲き始めるのは早いものだ…

秋になると緑の葉が黄葉,紅葉,褐葉するのはなぜ?

秋らしく朝晩が涼しくなってきました.つい先月まで緑色をしていた木々の葉も黄色くなったり,赤くなったり,褐色になったものが混ざってきました. 今日は黄葉と紅葉のお話で.どちらも「こうよう」と読みます.褐葉は「かつよう」と読みます.

第45週の花 シクラメン

冬の鉢植の代表としてよく知られているシクラメンは花の形がなんともとらえようが無い形をしていますね.葉を見るとハート型をしています. ハート形の葉は葉として茎の接続部が中央にあるのでバランスがとれています.葉先が重みで下がり難く,葉に溜まった…

第44週の花 プラタナス スズカケノキ 3品種

今週の花は,実は花では無いのですが,木の実が鈴の様になっていて面白い形をしているので,「鈴懸の木」を取り上げます. プラタナスと言えば聞いたことがあるかも知れません.プラタナスの並木など,街路樹として多く使われているのは,モミジバスズカケノ…

日本人が最もお世話になっている植物 イネ

誰もが食べるお米はイネの実です.イネはヒエやアワと同じイネ科の植物なのに,なぜ水田で育てるのでしょうか?畑で育つ陸稲というのもありますが,あまり見かけません.今日はイネのお話です.

チョコレートの原料カカオについて

昔からの友人であるDr.Yが来日し,お土産にチョコレートをもらいました.合計で800gももらいましたので,毎日食べても半年は楽しめそうです. さて,今日はチョコレートの原料についてのお話です.

第43週の花 シャリンバイ 車輪梅

シャリンバイは葉の並び方が,上から見ると車輪のスポークの様に中心から外側に広がっているところから,「車輪」と花が梅の花に似ていることから「梅」を合わせて車輪梅という名前がついています.見た目そのままの名前です. 今の季節(10月中旬)に黒紫色の…

第42週の花 ネコジャラシ,エノコログサ

今週の花は昨日紹介した「面白くて眠れなくなる植物学」のなかにあるネコジャラシです.エノコログサ(狗尾草)が正式名です. 犬っころ草が転じてエノコログサという呼称になったとのことですが,ネコジャラシの方がよく知られていると思います.空き地を探し…

面白くて眠れなくなる植物学 稲垣栄洋著 を読んで

今読んでいる本のなかで,「面白くて眠れなくなる植物学」 稲垣栄洋著はわかり易く,興味深い内容が多いので,ご紹介します. 本書は植物学のなかで話題性のあるものを取り上げてわかり易く解説しています.良書だと思います. 散歩の副産物として植物のこと…

第41週の花 ランタナ 七変化(しちへんげ)

ランタナは6月頃から咲いていて,いつ週の花として取り上げるか迷っているうちにとうとう長い開花期も終わろうとしています.この花は一見アジサイかと思いますが,花の色が黄色,オレンジ,ピンク,赤など様々なので,アジサイでは無いとわかります.でも,…

コーヒーの木と豆

普段当たり前の様に飲むコーヒーですが,コーヒーは豆を挽いて飲むことは知っていますが,コーヒーの木については知られていないことが多いと思います.今日はコーヒー木と豆のお話です.

第40週の花 キンモクセイ 金木犀

10月の始めになるとキンモクセイがあたりに香りを放ちます.非常に強いけれど良い匂いなので花が咲くのが楽しみです. 鮮やかなオレンジ色と良い香りに気をとらわれがちですが,金木犀の「犀」は動物のサイです.木の肌がサイに似ていいることからこの名がつ…

緑化と植林そして植樹について

緑化には苗木の技術が役立っていること,そしてその苗木つくりには挿し木や接ぎ木の技術に基づていることを学んできました.今日は緑化について掘り下げるとともに,似た言葉である植林や植樹についてのお話です. 緑化,植林,植樹すべて木を植えることです…

挿し木と接ぎ木について

今まで様々な植物を見てきました.その中で,種子によらない方法で増えて行く植物が多いことに驚きます. 挿し木や接ぎ木といった方法でも植物は増えて行くので不思議ですね. 今日は挿し木と接ぎ木について見ていきましょう.

第39週の花 コスモス オオハルシャギクとキバナコスモス

秋の野原や河原に咲くコスモスの花.成長力が強く自然に増えますが,美しい花を咲かせます.コスモス畑が観光地になっているところもあります. 夏の暑い時期から秋にかけて耐暑性のあるキバナコスモスが咲きます.少し秋らしくなると普通の色(ピンクや赤)の…

秋の味覚 葡萄

秋の味覚は尽きませんね.今日は葡萄についてのお話です. 日本の五大果物は生産量順に温州ミカン,リンゴ,ナシ,柿,ブドウです. 鎌倉時代初期に甲斐国勝沼(現在の山梨県甲州市)で栽培が始めらました.比較的古くからある果物です.江戸時代に入ると甲州(…

秋の味覚 柿,渋柿と甘柿

柿には渋柿と甘柿があります.渋柿には果肉の部分に渋みがあり,この渋みはタンニンからきています.タンニンには水溶性と不溶性があり,渋柿は水溶性で,甘柿は不溶性のタンニンが多く含まれています. 柿のタンニン(tannin)と干し柿 渋柿の渋味の原因であ…

秋の味覚 キノコの王様 松茸のお話し

日本人でキノコの王様,松茸を知らない人はいないでは?というほどよく知られたキノコです. でも,なぜあんなに高いのか,なぜ,あんなに人気があるのか?マツタケの人工栽培はできないのか?など疑問が多いキノコでもあります. 今日は松茸について見てい…

秋の味覚 梨 昔の梨と今の梨

秋は味覚の宝庫です.街角には美味しい果物が山ほど積み上げられています.きょうは梨についてのお話です. 梨の味 梨の形はリンゴに似ていますが,味は違います.リンゴより果汁が多く,食べるとサクサクしています.このサクサク感が梨の味の特徴でもあり…

第38週の花 チロリアンランプ(ウキツリボク,浮釣木)

花を見れば一目で覚えてしまうくらい特徴のあるランプ型をしています.和名はウキツリボク(浮釣木)と言います.花が釣られていて浮いている様に見えることから名前が付いています.チロリアンランプの方がかわいらしい名前に思えます. アルゼンチン,ブラジ…

栗とサツマイモ

収穫の秋がやってきました.同時に秋は味覚のシーズンです.その中で昔からあった秋の食べ物の代表に栗とサツマイモがあります. 以前,「くりよりうまいさつまいも」の意味で,「九里四里うまい十三里(=サツマイモ)」を紹介しました. 江戸時代の栗とサツマ…

秋の七草(ななくさ) 3

秋の七草,後半です.「おおきな」のナデシコまで説明しましたので,今日は「ふくは」のフジバカマ,クズ,ハギについて説明します.

秋の七草(ななくさ) 2

昨日は秋の七草, おみなえし,おばな(ススキ),ききょう,なでしこ,ふじばかま,くず,はぎ の頭をとって,おおきなふくは(大きな服は)秋の七草.と覚える方法を学びました. 今日はそれぞれをもう少し詳しく見ていきましょう.

秋の七草(ななくさ) 1

七草(ななくさ)という言葉がありますが,七草にはいろいろな七草があります. 春の七種,秋の七草,昔の七草,夏の七草,冬の七草, 春の七種だけは「草」ではなく,「種」の文字をあてて七種(ななくさ)としています. 七草は儀礼や習慣として変容してきまし…

第37週の花 ヒガンバナ(彼岸花)

お彼岸が近づくとあちこちにヒガンバナが咲き始めます.漢字で彼岸花と書きますが,別名の多い花としても知られています.死人花(しびとばな),地獄花(じごくばな),幽霊花(ゆうれいばな),剃刀花(かみそりばな),狐花(きつねばな),捨子花(すてごばな),歯…

植物名とラテン語 カタカナでの読み方

以前から知りたいと思っていたことの一つに,ラテン語の発音があります.植物の学名がラテン語になっていますが,どのように読んで良いのかわかりません. 読めなければ,覚えるのが難しくなります.今まで言葉は発声して覚えてきたからです.