昔からの友人であるDr.Yが来日し,お土産にチョコレートをもらいました.合計で800gももらいましたので,毎日食べても半年は楽しめそうです.
さて,今日はチョコレートの原料についてのお話です.
チョコレートの主原料カカオマス cocoa mass
世界中誰もが知っているお菓子の代表チョコレートの主原料はカカオマスです.これはカカオの実(カカオポッド)の中にある種子を発酵,焙煎して作られています.
カカオの実は写真で見たことがあるかも知れません.でも,実物はなかなか目にする機会は無いのではと思います.私も見たことはありません.
現地での作業
カカオの実は収穫されると現地で加工されてしまいます.取り出された種子と周囲の果肉はバナナの葉または木箱にいれて一週間くらい発酵させます.
発酵後に天日または乾燥機で乾燥させてから麻袋などに詰めて生産地から出荷されます.
選別,焙煎,粉砕,磨砕
カカオマス工場で受け取った乾燥種子は,異物除去や選別をし,焙煎されます.焙煎温度は110-150℃でコーヒー豆の焙煎温度200-230℃より低めです.焙煎後の時間経過で味が変わるので,消費地で焙煎するわけですが,このやりかたはコーヒー豆やアーモンドと同様です.
焙煎後の豆は粉砕機と磨砕機(グラインダー)にかけて0.1mm程度まで磨り潰されます.磨砕されてできたものは約半分が脂肪分なので,ペースト状になっています.これをカカオリカー cocoa liquorと呼びます.そして,カカオリカーを冷却,固化したものをカカオマス cocoa massと呼びます.尚,豆を粉砕してから,あるいは磨砕してから焙煎する方法もあります.
ココアとチョコレート
カカオリカーから脂肪分であるココアバターを圧搾して絞り出した残分をココアケーキと呼びますが,これを粉砕したものが,ココアパウダーすなわちココアです.この時,脂肪分は11-23%の残っています.
一方,カカオマスに砂糖,粉乳,ココアバター,植物油などを加えて混合することで出来上がるのがチョコレートです.尚,混合過程はチョコレートの品質を向上するためにいくつかの行程に分かれています.
カカオのデータ
目:アオイ目 Malvales 科:アオイ科 Malvaceae 属:カカオ属 Theobroma 種:カカオ T. cacao 学名:Theobroma cacao L. 和名:カカオ(加加阿) 英名:Cacao
花:直径3cm程度の白い(または赤-黄色味を帯びる)幹生花を房状につけます. 果実:約6か月で熟しす長さ15-30cm,直径8-10cm.幹から直接ぶら下がる幹生果でカカオポッドと呼ばれます.中に20から60個ほどの種子 cacao beansが入っています. 高さ:4.5 - 10メートル程度 生育条件:規則的な降雨と排水のよい土壌,湿潤な気候 原産地:中央アメリカから南アメリカの熱帯地域 品種:フォラステロ種(FORASTERO),クリオロ種(CRIOLLO),トリニタリオ種(TRINITARIO)
主な生産地: 1.コートジボワール:165.0万トン (33%) 2.インドネシア:93.6万トン (19%) 3.ガーナ:87.9万トン (18%)
今日はこれまで.ではまた.