山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

第40週の花 キンモクセイ 金木犀

キンモクセイ

10月の始めになるとキンモクセイがあたりに香りを放ちます.非常に強いけれど良い匂いなので花が咲くのが楽しみです.

鮮やかなオレンジ色と良い香りに気をとらわれがちですが,金木犀の「」は動物のサイです.木の肌がサイに似ていいることからこの名がついたと言われています.今度見る機会があったら木の肌も見てみましょう.

さて,キンモクセイの特徴は緑の葉に鮮やかなオレンジ色の花,そしてなんといっても忘れられない強い香りです.この香りは化学合成できるのでその昔,トイレの芳香剤として多用されました.年配の人はトイレの臭いとして覚えていらっしゃるのではないでしょうか?

香りの主成分はβ-イオノン,リナロール,γ-デカラクトン,リナロールオキシド,cis-3-ヘキセノールなどです.

三大香木

キンモクセイは日本の三大香木の一つです.以前も取り上げましたが,三大香木とは良い香りを強く漂わせる木のベスト3です.

秋(9月末-10月)のキンモクセイ(オレンジ色) 春(2月末-3月)のジンチョウゲ(ピンク色) 夏(6-8月)のクチナシ(白色)

です.それぞれ香りの季節が違うので旬の香りを楽しみましょう.

キンモクセイのデータ

目:シソ目 Lamiales 科:モクセイ科 Oleaceae 連:オリーブ連 Oleeae 属:モクセイ属 Osmanthus 種:モクセイ O. fragrans 変種:キンモクセイ O. f. var. aurantiacus 学名:Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino[1] シノニム:Osmanthus aurantiacus (Makino) Nakai 英名:fragrant orange-colored olive 品種: キンモクセイ(狭義) O. f. var. a. f. aurantiacus シロモクセイ O. f. var. a. f. leucanthus ウスギモクセイ O. f. var. a. f. thunbergii

花:秋に小さいオレンジ色の花.雌雄異株.日本には雄株しか無いので結実しない.雄蕊が2本と不完全な雌蕊があります. 高さ:小高木樹.5~6mですが,大きなものでは10mを超えます. 葉:長さ6-12cm.先はとがり,全体的に裏側に少し曲がっていています.硬い葉で裏面には緑の小さな点が散在しています.表裏とも無毛です. 原産:中国南部

日本のキンモクセイは中国から江戸時代に渡来し,主に取り木*で増えました.日本には雄株しかありません.

*注:取り木 茎の途中から根を出させ,そこで切り取って新しい株を得る方法です.木の枝の先端からある程度下の位置で樹皮を一回り切除します.切除部分が乾燥しないようにミズゴケなどで巻いておくと,そこから根が出てきます.その直下で切って新しい株をつくります.これを植えます.

今日はこれまで.ではまた.