山河海空

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第42週の花 ネコジャラシ,エノコログサ

今週の花は昨日紹介した「面白くて眠れなくなる植物学」のなかにあるネコジャラシです.エノコログサ(狗尾草)が正式名です. 犬っころ草が転じてエノコログサという呼称になったとのことですが,ネコジャラシの方がよく知られていると思います.空き地を探してみればすぐに見つけられる雑草ですね.

ネコジャラシは高性能植物

「面白くて眠れなくなる植物学」によればネコジャラシは高性能植物なのだそうです.

C4植物

通常の植物はC3回路という光合成システムなのですが,C4回路という特殊な光合成システムをもっています.これは夏の高温と強い日差しでも光合成を効率良く行えるターボエンジンの様なシステムに似ています.

このシステムは乾燥にも強いので,ネコジャラシが夏の暑い日照り続きの中でもなかなか萎れません.

C4植物の欠点

しかし,優秀な光合成システムを持つC4植物はトウモロコシなど全体の僅か1割だそうです.なぜかと言うと,低温で光が弱い所では光合成の効率が悪くなるからです.

エノコログサのデータ

目:イネ目 Poales 科:イネ科 Poaceae 亜科:キビ亜科 Panicoideae 連:キビ連 Paniceae 属:エノコログサ属 Setaria 種:エノコログサ S. viridis 学名:Setaria viridis(L.)P.Beauv シノニム: Setaria viridis (L.)P.Beauv. subsp. minor (Thunb.)T.Koyama Setaria viridis (L.)P.Beauv. var. minor (Thunb.)Ohwi Panicum italicum Panicum flavum Chaetochloa italica 和名:エノコログサ(狗尾草),ネコジャラシ 英名:green bristlegrass 亜種,変種,品種 S. v. subsp. pachystachys S. v. subsp. pycnocoma S. v. subsp. viridis ホソバノエノコログサ S. v. var. angustifolia S. v. var. major ハマエノコロ S. v. var. pachystachys カタバエノコログサ S. v. f. japonica ムラサキエノコロ S. v. f. misera

花:円柱形で一面に花がつき多数の毛が突き出してブラシ状になっています. 草丈:40-70cm 茎:細く,基部は少し地表を這い,節から根を下ろします.夏には茎が立ち上がって伸び,先端に穂をつけます. 葉:匍匐茎にも花茎にも多数ついており最大20cm位の大きさです.細長い楕円形で薄く緑色でつやがありません.葉の付け根でねじれて裏側が上を向いて裏表逆になっている場合があります.

生育条件:日当たりのよい畑地,荒地 分布:全世界の温帯 特記事項:穀物のアワ(粟)の原種,粟と同じように食用可能です.

今日はこれまで.ではまた.