山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

花草木

第10週の花草木 ワビスケ 侘助

ツバキと他種との雑種といわれています.花は半開のらっぱ状で径2-3cmと小さめです.雄しべは退化していて,子房に毛があるのが特徴です.ワビスケ群は30余種ほどあると言われています. ワビスケという名前は佗(わび)と好(すき,数奇)の組み合わせでできた…

第9週の花草木 フクジュソウ

鮮やかな黄色の花の咲くフクジュソウ(福寿草)は日本固有種です.旧暦の正月頃に開花することから名付けられました.ちなみに今日は旧暦の1月11日です.乱獲で天然のものは減りつつあります. フクジュソウのデータ 目:キンポウゲ目 Ranunculales 科:キンポ…

今,読書中の本: ぼくのとなりの野草 上野邦雄著

今,読んでいる本の中で,後まで心に残りそうな部分を紹介します. 書名:ぼくのとなりの野草 著者: 上野邦雄 出版社:青山ライフ出版,星雲社 良書です.本書は身近な野草について270ページまで一種1ページで2-3枚の写真と説明で淡々と編集されているデー…

第7週の花草木 パンジーと三色スミレ

2月のなかばになっても,春まではまだ少しあるので,花壇は寂しい状況です.その中で様々な色合いを見せているのはパンジーです.この花には数十年前の思い出があります. 小学校に入学して間もなく,学校が一年生の一人一人に鉢植えのパンジーをお祝いに配…

第6週の花草木 フキ

フキノトウ(蕗の薹)の天ぷらは食べたことがありますが,フキノトウを見たことはないような気がします.佃煮のキャラブキ(伽羅蕗)もフキの葉柄だという事を知らずに何となく食べていました. 天ぷらも,キャラブキも灰汁(アク)抜きをします.フキには肝臓に良…

第5週の花草木 スイセン 水仙

冬の花が少ない時期にずっと咲いているのがスイセンです.雪が降った後,散歩して見るとそのいくつかが雪のために倒れていました. 水仙はヒガンバナ科に属しています.二ホンズイセン,ラッパスイセンなどがありますが,総称としてスイセンと呼ばれています…

第4週の花草木 ロウバイ

散歩中にロウバイが咲いているのを見つけました.大寒で雪が降る気配もありますが,春の訪れを感じます. ロウバイは漢字で,蝋梅と書きます.本草綱目(中国明朝の李時珍(1518-1593)著)によれば,半透明でにぶいツヤのある花びらがまるで蝋細工のようであり…

第3週の花草木 キンセンカ 金盞花

鮮やかな橙黄色の花が咲くキンセンカはキク科キンセンカ族の植物です.英語ではポットマリーゴールド Pot Marigold,(Calendula officinalis L.)ですが,一般的にマリーゴールド marigoldと言えばこの花を指します.その他のマリーゴールドとしては, その他…

第2週の花草木 キク 菊

キクを知らない人はいないと思いますが,今まで取り上げてこなかったのはあまりにも一般的で,身近にあり,誰でも知っている花の代表だからです. ところが,不思議なことに万葉集にはキクが出てこないのです.平安時代に入ってから古今和歌集などで盛んに詠…

第1週の花草木 ハボタン 葉牡丹

今日は正月3日ですが,第1週の花草木をハボタンから始めます. 今の時期に公園の花壇などを散歩すると,花は少なく寂しい時期です.今日もっとも多く見かけたのはハボタンです. 花ではありませんが,花壇に彩を添えています.名前の由来は彩のある葉をボタ…

2017年 「週の花」のまとめ

2017年5月15日の第20週から始めて12月26日第52週まで「週の花」シリーズを続けてきました.毎日の散歩で実際に見た花を調べて記事にしながら,自分の観察力や記憶力を養っていこうという目的でした. 何とか30種以上を紹介できたのは今年の一つの成果でもあ…

第52週の花 ノースポールギク (カンシロギク 寒白菊)

ノースポールとして知られるこの花の和名はノースポールギク,またはカンシロギクです.白い花が株全体を白く覆うように見える為,北極をイメージしているところからなずけられました. ちなみに,「ノースポール」だけだとサカタのタネの商品名となりますが…

第51週の花 ゲッカビジン 月下美人

散歩していると庭にゲッカビジンの花が咲いている家がありました.この時期,しかも昼間に数個の花が咲いているので,珍しいなと思い調べてみました. サボテン科クジャクサボテン属の常緑多肉植物で原産地のメキシコから輸入された原種とのこと. ゲッカビ…

第50週の花 アロエ

週の花も50週目です.年末も近づいてきました. 11月29日 アプリ「歳時記カレンダー +」のすすめの中で当日の記事の中に「・・・鮮やかな椿や蝋梅など街を彩る冬の花を景色の中に見つけてみませんか.」とありました. 少し?,と思ったのですが,半信半疑で…

第49週の花 ナンテン 南天

[caption id="attachment_2031" align="alignnone" width="310"] 1962年発行の切手 ナンテン[/caption] 12月に入りました.今週の花も第49週で50,51,52週で今年も終わります.今日は今頃に赤い実がなっているナンテンについてお話します. ナンテンは庭木…

第48週の花 ヒイラギ(柊)

数週間前から家の前にヒイラギが咲き始め,今満開です.木ヘンに冬の「柊」です.まさに冬の木ですね.ヒイラギの名前は棘のある葉に触るとヒリヒリと痛むことからひひらく,ひいらぐの連用形ひひらき(疼き)から柊となりました.

第47週の花 チャ(お茶)

毎日飲んでいるお茶.お茶と言えば,「夏も近づく八十八夜」のイメージがありますが,あれは茶の葉の摘む時期で,花は11月後半頃に咲きます.お茶の花は茶畑に行かないとないかと思っていましたが,近所の公園に咲いていました.初めてみました.今日はチャ…

第46週の花 サザンカ(山茶花)とカンツバキ(寒椿)

「さざんかさざんか 咲いた道 たき火だ たき火だ 落葉たき」の歌でみんな知ってるサザンカは北風がぴいぷう吹いて,たき火の季節に咲きます. 最近ではたき火は見かけなくなりましたが,サザンカは垣根に多く見かけます.サザンカの咲き始めるのは早いものだ…

第45週の花 シクラメン

冬の鉢植の代表としてよく知られているシクラメンは花の形がなんともとらえようが無い形をしていますね.葉を見るとハート型をしています. ハート形の葉は葉として茎の接続部が中央にあるのでバランスがとれています.葉先が重みで下がり難く,葉に溜まった…

第44週の花 プラタナス スズカケノキ 3品種

今週の花は,実は花では無いのですが,木の実が鈴の様になっていて面白い形をしているので,「鈴懸の木」を取り上げます. プラタナスと言えば聞いたことがあるかも知れません.プラタナスの並木など,街路樹として多く使われているのは,モミジバスズカケノ…

第43週の花 シャリンバイ 車輪梅

シャリンバイは葉の並び方が,上から見ると車輪のスポークの様に中心から外側に広がっているところから,「車輪」と花が梅の花に似ていることから「梅」を合わせて車輪梅という名前がついています.見た目そのままの名前です. 今の季節(10月中旬)に黒紫色の…

第42週の花 ネコジャラシ,エノコログサ

今週の花は昨日紹介した「面白くて眠れなくなる植物学」のなかにあるネコジャラシです.エノコログサ(狗尾草)が正式名です. 犬っころ草が転じてエノコログサという呼称になったとのことですが,ネコジャラシの方がよく知られていると思います.空き地を探し…

第41週の花 ランタナ 七変化(しちへんげ)

ランタナは6月頃から咲いていて,いつ週の花として取り上げるか迷っているうちにとうとう長い開花期も終わろうとしています.この花は一見アジサイかと思いますが,花の色が黄色,オレンジ,ピンク,赤など様々なので,アジサイでは無いとわかります.でも,…

第40週の花 キンモクセイ 金木犀

10月の始めになるとキンモクセイがあたりに香りを放ちます.非常に強いけれど良い匂いなので花が咲くのが楽しみです. 鮮やかなオレンジ色と良い香りに気をとらわれがちですが,金木犀の「犀」は動物のサイです.木の肌がサイに似ていいることからこの名がつ…

第39週の花 コスモス オオハルシャギクとキバナコスモス

秋の野原や河原に咲くコスモスの花.成長力が強く自然に増えますが,美しい花を咲かせます.コスモス畑が観光地になっているところもあります. 夏の暑い時期から秋にかけて耐暑性のあるキバナコスモスが咲きます.少し秋らしくなると普通の色(ピンクや赤)の…

第38週の花 チロリアンランプ(ウキツリボク,浮釣木)

花を見れば一目で覚えてしまうくらい特徴のあるランプ型をしています.和名はウキツリボク(浮釣木)と言います.花が釣られていて浮いている様に見えることから名前が付いています.チロリアンランプの方がかわいらしい名前に思えます. アルゼンチン,ブラジ…

第37週の花 ヒガンバナ(彼岸花)

お彼岸が近づくとあちこちにヒガンバナが咲き始めます.漢字で彼岸花と書きますが,別名の多い花としても知られています.死人花(しびとばな),地獄花(じごくばな),幽霊花(ゆうれいばな),剃刀花(かみそりばな),狐花(きつねばな),捨子花(すてごばな),歯…

第36週の花 ムクゲ

9月に入って比較的涼しい日が続きます.今週の花はムクゲです.ムクゲは槿とかきます.木ヘンに菫(スミレ)ですが,槿の花もすみれ色をしています.白いものもあります. アオイ科フヨウ属なので前出のハイビスカスやフヨウと似ています.学名もHibiscus syri…

第35週の花 サルスベリ

猿が登ろうとしても滑ってしまうほど木の肌がつるつるになっていて見分けやすい木です.本当はサルはこの程度の木なら簡単に登れます. サルスベリの幹は成長すると古い樹皮のコルク層が剥がれ落ちてつるつるの新しい樹皮が現れます.百日紅(ヒャクジツコウ)…

第34週の花 アベリア

アベリアという木をご存知でしょうか?真夏の暑い時期に公園や生垣に白くて小さな釣り鐘状の花を沢山咲かせています. この花は子供の頃から花を摘んで唾をつけて鼻の頭に張り付けて,天狗の鼻だと遊んだ覚えがあります.ひょっとすると別の花かも知れません…