キクを知らない人はいないと思いますが,今まで取り上げてこなかったのはあまりにも一般的で,身近にあり,誰でも知っている花の代表だからです.
ところが,不思議なことに万葉集にはキクが出てこないのです.平安時代に入ってから古今和歌集などで盛んに詠まれ出したことをから,この頃大陸から伝わったと考えられます.
鎌倉時代の初め後鳥羽上皇(1183-1198)が菊の紋を身の回りのものに施して以来,皇室の紋となったといわれています.
本来は秋に咲く花で,春の桜,秋の菊と言われますが,近年では,電照菊栽培などで年中供給されています.
植物学上のキク
キク科の植物は被子植物のなかでは最も繁栄しているものの一つです.世界中に2万種以上が自生しています.今まで述べてきましたキクは栽培種で,これを栽培ギクまたはイエギク(キク科キク属 学名 Chrysanthemum × morifolium syn. Chrysanthemum × grandiflorum Kitam)と呼んでいます.
これとは別に野生種があり,日本には350種ほど,帰化植物は150種あります.これらを総称で「野菊」と呼びます.
野菊と呼ばれるもの
キク科 キク属 Dendranthema
キクタニギク・シマカンギク・ノジギク・リュウノウギク・コハマギクなど
キク科 シオン属 Aster
サワシロギク・シラヤマギク・ノコンギク・ヒロハホウキギク・シロヨメナ・ゴマナ など
キク科 ハマベノギク属 Heteropappus
ハマベノギク・ヤマベノギク・ヤマジノギクなど
キク科 ヨメナ属 Kalimeris
キク(イエギク)のデータ
目:キク目 Asterales 科:キク科 Asteraceae 属:キク属 Chrysanthemum 種:イエギク Chrysanthemum morifolium 学名:Chrysanthemum × morifolium Ramat. 和名:イエギク 英名:florists’daisy
今日はこれまで.ではまた.