山河海空

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第51週の花 ゲッカビジン 月下美人

散歩していると庭にゲッカビジンの花が咲いている家がありました.この時期,しかも昼間に数個の花が咲いているので,珍しいなと思い調べてみました.

サボテン科クジャクサボテン属の常緑多肉植物で原産地のメキシコから輸入された原種とのこと.

ゲッカビジンは日本では6-11月に咲き,体力があれば2-3ヵ月後にもう一度咲くということで,今咲いているのは今年2度目のものかも知れません.

つぼみは最初は垂れ下がっていて,開花直前になると自然に上を向いて膨らみます.夕方に芳香を漂わせるとのこと.

これは生態学的にコウモリ媒花に合わせた形で適応してきたと考えられています.

この花には特徴的な美しさがあり,珍奇なものでもあったことから,俗説が流布しています.また,日本はメキシコと生育環境が違うので,開花の時期や時間なども変わってきていると思います.特に都市の街灯は日中から24時間明るい環境をつくっていますので,多くの植物に影響力が強いと思います.その他に,土や環境下の生態,人為的に加える肥料などもえいきょうしていると思います.

ゲッカビジンのデータ

目:ナデシコ目 en: Caryophyllales 科:サボテン科 en: Cactaceae 属:クジャクサボテン属 Epiphyllum 種:ゲッカビジン E. oxypetalum 学名:Epiphyllum oxypetalum 和名:ゲッカビジン月下美人) 英名:Dutchman's Pipe,Queen of the Night

花:高さが1-2mになるとつぼみができます.花は夜に咲き始め翌朝までの一晩でしぼみ、めしべに他家受粉が起きなければ散ります.白い花で20~25cm程度の大きさです.

果実:原産地から導入された1つの株で増やされたため,ほとんど果実は実りませんでした.1980年代に原産地から新たに野性の株を持ち込んでから実が付くことも可能になりました.果実は赤く,果肉には白くて黒い胡麻状の種子が散在します.種子は紡錘形で大きく,食べると甘いとのこと.

茎:茎は昆布状の扁平な葉状茎で,しばしば株元から細長い鞭状の茎を伸ばします.葉状をした茎の縁は波型で,その凹部には産毛状の刺(葉)があります.これを刺座と言い,サボテン科特有の短枝です.

生育環境:原産地はメキシコの熱帯雨林であるため,寒さに弱いです.零下になると組織が壊死して葉状茎に褐色斑点ができてしまいます.

今日はこれまで.ではまた.