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7月は文月(ふみづき,ふづき),旧暦と和風月名について

七夕に詩歌を献じ,書物を夜風に曝す風習があったことから文月と呼ばれています.あるいは稲の穂が含む月であることから「含み月」,「穂含み月」の意味が転じたという説もあります.

2018年7月02日は半夏生(はんげしょう)です.太陽黄経100度です.半夏(烏柄杓)という薬草が生える頃という意味です. 半夏生という名の植物もあります.この植物が白くなる季節でもあります.

カラスビシャク https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%AF

ハンゲショウ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6

https://www.youtube.com/watch?v=ZE_aTt4z0_E 夏の俳句 季語「半夏生」7月2日

約150年前まで使われていた旧暦と呼ばれる太陰太陽暦(天保暦1844-1872)では現代のように各月を数字で呼ばないで,名前をつけて呼んでいました.これを「和風月名」と言います.

昔の人は生活を季節に合わせて過ごしていました.和風月名の他にも季節や行事に合わせて月を呼ぶ習慣がありました.これらを別名とか異名と呼んでいます.

以下,様々な呼び方を見ていきましょう.新暦と旧暦は1-2カ月の差がありますので,季節感がずれています.

ちなみに新暦とは現在使用している太陽暦であるグレゴリオ暦(Calendarium Gregorianum, Gregorian calendar),旧暦とは太陰太陽暦(天保暦1844-1872)を指します.

7月の他の呼び方

建申月 けんしんげつ 孟秋 もうしゅう 秋初月 あきそめづき 女郎花月 おみなえしづき 七夕月 たなばたづき 棚機月 たなばたづき 七夜月 ななよづき 文被月 ふみひろげづき 愛逢月 めであいづき 夷則 いそく 槐秋 かいしゅう 瓜時 かじ 享菽 きょうしゅく 上秋 じょうしゅう 初秋 しょしゅう 処暑 しょしょ 親月 しんげつ 新秋 しんしゅう 相月 そうげつ 早秋 そうしゅう 素商 そしょう 大晋 たいしん 窒相 ちっそう 肇秋 ちょうしゅう 桐月 とうげつ 桐秋 とうしゅう 否月 ひげつ 蘭月 らんげつ 蘭秋 らんしゅう 流火 りゅうか 涼月 りょうげつ 冷月 れいげつ

(昔の人々の月の呼び方への愛着を感じて頂くだけで十分です)

昔の呼び方をそのまま現代の暦に置き換えると,実際の季節感より数週間早いので残念ですね.つまり,旧暦は1-2ヵ月遅れていると考えると良いでしょう.

和風月名一覧

1月 睦月(むつき):正月に親類一同が集まり睦び合う月

2月 如月(きさらぎ):衣更着(きさらぎ)の意味で,寒いので衣を重ね着する月

3月 弥生(やよい):木草弥生(いやお)い茂る月

4月 卯月(うづき):卯の花の月

5月 皐月(さつき):早月(さつき)の意味で,早苗(さなえ)を植える月

6月 水無月(みなづき,みなつき):水の月の意味で,田に水を引く月

7月 文月(ふみづき,ふづき):穂含月(ほふみづき)の意味で,稲の穂が実る月

8月 葉月(はづき,はつき):木々の葉が落ちる月

9月 長月:(ながつき,ながづき):夜の長い月

10月 神無月(かんなづき):神の月の意味で神に新穀をささげる,あるいは神が出雲大社に集まる月

11月 霜月(しもつき):霜の降る月

12月 師走(しわす):師匠も走るほど忙しい月

今日はこれまで.ではまた.