山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

散歩で使うかゆみ止め薬についての考察

蚊

散歩,ウォーキング中に使う虫よけ剤について考察しましたが,今日は刺されてしまった後の対処とかゆみ止め薬について散歩,ウォーキングに特化して考えます.

夕方の散歩時には万一刺された時のためにかゆみ止めの塗り薬を持ち歩いています.いろいろ試しましたが,正直言って決定的なものはありません.でも,効果が薄くても頼らざるを得ないのが現実です.

本当はもっと良い方法もあるのですが,散歩中には適していません.将来研究開発してもらえると良いのですけれど.

さて,かゆみの原因から見ていきます.蚊に刺された場合かゆみの原因はアレルギー反応によるものと考えられています.昔はアンモニアで酸を中和すると聞いたことがありますが,かゆみは酸によるものでないため中和できません.

実際に刺されてみる

実は今日この記事を書くために実験的に散歩中に蚊に刺されてみました.虫よけ剤を使わず蚊の居そうな場所ですこし立ち止まったら案の定というか予定通り刺されました.

そして,蚊に刺された後のかゆみの具合と皮膚表面の変化,持続時間を観察しました.同時にかゆみ止め薬を塗ってみた時と塗らない時の違いも確認してみました.

結果として使えそうな事実は以下の通りです.

  1. 刺された直後はかゆくない.
  2. 数分するとかゆくなり始める.
  3. しばらくすると膨らんでくる.周辺部は赤くなる.
  4. かゆみが30分ほど続く.
  5. しばらくすると急速にかゆみが消える.
  6. 1-2時間後でも少しだけかゆみの記憶が残っているが跡はなくなっている.
  7. お風呂に入るとどこを刺されたのか全く分からなくなる.

実験

さらに,酸によりかゆみがつくれるのかという簡単な追加実験をしてみました.

実験1

  1. 針で皮膚を刺す.
  2. 刺した部分に酢をつける.
  3. 結果として無痛,かゆくもない.

実験2

  1. 酢を一滴皮膚に載せる.
  2. 酢の載っている皮膚の数カ所を針で刺す.
  3. 無痛の部分とチクリとした痛みが持続する部分がある.
  4. 水で洗うと痛みは直ぐに消えた.

実験1では痛みは感じませんでした.かゆくもありませんでした.これは針を刺す際に痛点を避けていたためと思われます.

実験2での痛みは一点なので痛みともかゆみともわからない痛みでした.これならば蚊に刺されたかゆみよりはるかにましです.洗うとすぐに痛みは無くなりました.もし,蚊の唾液が酸の刺激だとすれば直ぐにかゆみは無くなるはずですが,洗っても消えません.

実験1,2でアレルギー反応によるかゆみだということが確認できます.また,刺されてしばらくしてからかゆくなるのもアレルギー反応が起きて皮膚の痛点に届くまでに時間がかかるのだと推察できます.

痛点は1㎠に50-350カ所存在し,ある程度深い所にありますので,刺されたところからアレルギー反応の強度と範囲が拡大していくにしたがってかゆみが増すわけです.

アレルギーを起こす蚊の唾液はすでに拡散しているので,気が付いた時は遅いし,薬で中和できません.唯一できるのは痛点の感覚を別の刺激で緩和することやかゆみを忘れるくらい別の痛みや別のことに集中するくらいでしょう.あるいは毎日刺されることで慣れてしまうのも方法かも知れません.

考察

かゆみ止めは数十秒程度の間多少の効果がありますが,かゆみが消えるわけではありません.(私の場合は)30分程度でかゆくなくなるので,気休め程度に数回塗ればかゆみは去っていることになります.

もう少し強い刺激で紛らわせるというのであれば,ヒリヒリするくらいの筋肉痛用の塗り薬の方が効果的です.ただし,かゆみのもとになるヒスタミンの働きをおさえる効果はありません.同様に瞬間冷却スプレーなどもかゆみは一時的に忘れられます.ただし,散歩にはかさばるし,持続しません.

昔,米国で買ったかゆみ止めの薬は塗ると皮膚がヒリヒリしてかゆみは治まりました.同様なものは日本にあるのかどうか知りません.

今日はついでに,途中でアイスクリームを買ってかゆいところに当ててみました.効果はありました.でも食べないと溶けてしまうので数分が限度です.水筒に氷があったのですが,取り出して当てるのは面倒でした.携帯のスポット冷却装置みたいのがあると良いのですけど...

一般に化学反応は温度が下がると遅くなるので,冷やすとかゆみが消えるまでの時間が長くなるかも知れません.自ら蚊に刺される実験は今日を最後にしたいので,検証はしません.

対策

さて,散歩やウオーキングの際に蚊に刺された場合に限っての対策ですが,現状では以下の様に考えています.

  1. 塗るとヒリヒリするくらい強力な塗り薬でかゆみを紛らわします.筋肉痛用のものにヒリヒリ具合が強いものがあるが,完全にかゆみが消えるわけではありません.また皮膚の弱い方や目や鼻,口など刺激に弱い部分は使用しないでください.

  2. 掻くのは皮膚によくありません.もしテーピング用のテープを持っていたら貼ってその上から液体の塗り薬を塗ると持続時間が長くなります.また,掻いても大丈夫です.私は中長距離を歩くときは万一に備えてテープを持参しています.

  3. かゆみは30分で消えるという事実を知るだけで気分的に我慢でき易くなる.

  4. 別のことに集中して30分間かゆみを忘れることにする.つまり蚊に刺された時のかゆみに慣れる.

これらはあくまでも散歩,ウォーキング時のかゆみ対策なので,家に帰ってからも腫れが続く場合は抗炎症作用成分などが入っている虫刺され薬の使用を検討してください.

今日の蚊は藪蚊の様で赤く腫れている部分は最大時に直径20㎜位でした.また,白く膨らんでいる部分も直径8mm位でした.わざと刺されるのは今日を最後にします.

今日はこれまで.ではまた.