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10月は神無月(かんなづき,かみなづき),旧暦と和風月名について

「神無月」というのは「神が不在の月」では無く,「神の月」と言う意味です.連体助詞「な=(無)」は「の」の意味です.水無月=水の月というのと同様です.

出雲では「神無月」に対して,「神在月」と呼びます.この時期に日本中から神々が出雲に集まるという意味からそう呼ばれましたが,これも中世からの俗説です.でも,言葉は人々がつくっていくものですから,どれが正しいというのではなく,それはそれで良いのではと思います.

その他にもいろいろな説があります.

参考

https://www.youtube.com/watch?v=UCeUr-mnKGE 神々の国しまねプロジェクトアーカイブ神在月(かみありづき)の出雲】

https://www.youtube.com/watch?v=bgIhNalsmuU 神無月とは?~由来・留守居神・神様の会議・神在月

約150年前まで使われていた旧暦と呼ばれる太陰太陽暦(天保暦1844-1872)では現代のように各月を数字で呼ばずに名前をつけて呼んでいました.これを「和風月名」と言います.

昔の人は生活を季節に合わせて過ごしていました.和風月名の他にも季節や行事に合わせて月を呼ぶ習慣がありました.これらを別名とか異名と呼んでいます.

以下,様々な呼び方を見ていきましょう.新暦と旧暦は1-2カ月の差がありますので,季節感がずれています.

ちなみに新暦とは現在使用している太陽暦であるグレゴリオ暦(Calendarium Gregorianum, Gregorian calendar),旧暦とは太陰太陽暦(天保暦1844-1872)を指します.

10月の他の呼び方

建亥月,孟冬,神去月,雷無月,鏡祭月,神在月神有月,御忌,小春,小春月,時雨月,鎮祭月,初霜月,小六月,応章,応鐘,開冬,亥冬,吉月,極陽,玄英,坤月,始冰,小陽春,上冬,初冬,新冬,正陰月,早冬,大月,大素,方冬,陽月,立冬,良月 (昔の人々の月の呼び方への愛着を感じて頂くだけで十分です)

昔の呼び方をそのまま現代の暦に置き換えると,実際の季節感より数週間早いので残念ですね.つまり,旧暦は1-2ヵ月遅れていると考えると良いでしょう.

和風月名一覧

1月 睦月(むつき):正月に親類一同が集まり睦び合う月

2月 如月(きさらぎ):衣更着(きさらぎ)の意味で,寒いので衣を重ね着する月

3月 弥生(やよい):木草弥生(いやお)い茂る月

4月 卯月(うづき):卯の花の月

5月 皐月(さつき):早月(さつき)の意味で,早苗(さなえ)を植える月

6月 水無月(みなづき,みなつき):水の月の意味で,田に水を引く月

7月 文月(ふみづき,ふづき):穂含月(ほふみづき)の意味で,稲の穂が実る月

8月 葉月(はづき,はつき):木々の葉が落ちる月

9月 長月:(ながつき,ながづき):夜の長い月

10月 神無月(かんなづき):神の月の意味で神に新穀をささげる,あるいは神が出雲大社に集まる月

11月 霜月(しもつき):霜の降る月

12月 師走(しわす):師匠も走るほど忙しい月

今日はこれまで.ではまた.