山河海空

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6月は水無月(みなづき,みなつき),旧暦と和風月名について

水無月ときくと水の無い月のように聞こえますが,みなづきの「な」は連体助詞*の「な」で,「の」と同じ意味です.つまり,水の月ということになります.水な底(みなぞこ)が水「の」底という使い方と同じです.

*連体助詞とは 体言と体言を関係づける助詞で連体格助詞とも言いいます.語と語の関係をあらわします.私「の」手,わ「が」身,君「が」代,佐渡「が」島など.

https://www.youtube.com/watch?v=o9kRnS3giqs くらして歳時記『水無月

約150年前まで使われていた旧暦と呼ばれる太陰太陽暦(天保暦1844-1872)では現代のように各月を数字で呼ばないで,名前をつけて呼んでいました.これを「和風月名」と言います.

昔の人は生活を季節に合わせて過ごしていました.和風月名の他にも季節や行事に合わせて月を呼ぶ習慣がありました.これらを別名とか異名と呼んでいます.

以下,様々な呼び方を見ていきましょう.新暦と旧暦は1-2カ月の差がありますので,季節感がずれています.

ちなみに新暦とは現在使用している太陽暦であるグレゴリオ暦(Calendarium Gregorianum, Gregorian calendar),旧暦とは太陰太陽暦(天保暦1844-1872)を指します.

6月の他の呼び方 建未月 けんびげつ 季夏 きか 青水無月 あおみなづき 弥涼暮月 いすずくれづき 風待月 かぜまちづき 三伏之秋 さんぷくのあき 涼暮月 すずくれづき 蝉の羽月 せみのはづき 鳴雷月 なるかみづき 鳴神月 なるかみづき 波達羅盈月 はだらえづき 松風月 まつかぜづき 常夏月 とこなつづき 炎陽 えんよう 季月 きげつ 極暑 きょくしょ 庚伏 こうふく 鶉火 じゅんか 常夏 じょうか 焦月 しょうげつ 小暑 しょうしょ 水月 すいげつ 積夏 せきか 則旦 そくたん 旦月 たんげつ 長夏 ちょうか 長列 ちょうれつ 遯月 とんげつ 晩夏 ばんか 晩月 ばんげつ 未月 びげつ 伏月 ふくげつ 陽氷 ようひょう 林鐘 りんしょう

(昔の人々の月の呼び方への愛着を感じて頂くだけで十分です)

昔の呼び方をそのまま現代の暦に置き換えると,実際の季節感より数週間早いので残念ですね.つまり,旧暦は1-2ヵ月遅れていると考えると良いでしょう.

https://www.youtube.com/watch?v=B1ybVzv3lEg 写真集~水無月梅雨の中で花達は、、~

和風月名一覧 1月 睦月(むつき):正月に親類一同が集まり睦び合う月

2月 如月(きさらぎ):衣更着(きさらぎ)の意味で,寒いので衣を重ね着する月

3月 弥生(やよい):木草弥生(いやお)い茂る月

4月 卯月(うづき):卯の花の月

5月 皐月(さつき):早月(さつき)の意味で,早苗(さなえ)を植える月

6月 水無月(みなづき,みなつき):水の月の意味で,田に水を引く月

7月 文月(ふみづき,ふづき):穂含月(ほふみづき)の意味で,稲の穂が実る月

8月 葉月(はづき,はつき):木々の葉が落ちる月

9月 長月:(ながつき,ながづき):夜の長い月

10月 神無月(かんなづき):神の月の意味で神に新穀をささげる,あるいは神が出雲大社に集まる月

11月 霜月(しもつき):霜の降る月

12月 師走(しわす):師匠も走るほど忙しい月

今日はこれまで.ではまた.