山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

今,読書中の本: アイデア大全 想像力とブレイクスルーを生み出す42のツール

今,読んでいる本の中で,後まで心に残りそうな部分を紹介します. 書名:アイデア大全 著者:読書猿 出版社:フォレスト出版

良書です.実はアイデアの出し方,ものの考え方を事典としてまとめた本は私の書棚に何冊か眠っています.かなり昔から集めていますし,ものすごく高価なPC用ソフトウエアも会社で買ってもらった覚えがあります.

それらを使っているかというと,答えはNOです.何度か読み返す機会はありますが,ザっと目を通すと,また書棚の奥の方で数年の眠りにつくことになります.PC用ソフトの方は,買って1時間程度見ただけで,そのまま使われずに終わりました.

イデア本はその使い方が難しいです.問題に直面している時は,そちらに神経が集中していますので,余裕がありません.比較的暇な時はその手法で具体的に考えて見るような演習をする気になれません.せいぜいザっと読み通すていどで終了です.

久しぶりにアイデア本を手にして,どのように使おうか考えて,すこし実践してみました.

本書の感想

まず,本書を手にすると黄色地に赤い文字のタイトルに驚きます.中を開くと全ページが黄色い紙を使用していて,さらに驚かされます.実はこの時点で気持ちが落ち着かず,見るのをやめようかと思いました.

とりあえず,我慢してアイデア01をみると「バグリスト」不快は汲めども尽きぬ発想の泉とあります.これは意図的なのかと疑いながらみても,つい本書にツッコミを入れたくなります.

手順の中に,「不快な事,出会った嫌な事(バグ)を,ジャンルや新旧にこだわらず,とにかく書き出す」,とあります.本書の不快感がいっぱいで,頭の中でバグリストがグルグル回り始めます.

そのまま,アイデア02「フォーカシング」へ進みました.「言葉にならないものを言語化する汎用技術」自分の中のもやもやを言葉にする技術として,自分を感じ,感じる何かに思い浮かぶ名前を付けて呼びかけてみる....なかなかいいじゃないですか.

イデア03は面倒なので,ザっと読み飛ばすと,アイデア04「エジソンノート」.この辺りからグングン加速されて本書に引き込まれて行きます.

結局,最後まで簡単なメモを取りながら読み進めて完読してしまいました.完読と言っても,今の自分にとって役に立ちそうな部分を丁寧に読み,その他は読み飛ばしました.その方が時間とエネルギー効率が良いと思ったからです.

結果的に,最初の印象はあまり良くなかったのですが,私の良書の一冊となりました.今,再読中です.

本書の構成

■ 第一部 0から1へ 第一章 自分に尋ねる 第二章 偶然を読む 第三章 問題を察知する 第四章 問題を分析する 第五章 仮定を疑う

■ 第二部 1から複数へ 第一章 視点を変える 第二章 組み合わせる 第三章 矛盾から考える 第四章 アナロジーで考える 第五章 パラフレーズする 第六章 待ち受ける

■ アイデア史年表:本年表は秀逸です.一読すると人類の考え方の歴史がみえてきます.

全部で42アイデアあります.どこかで聞いて知っているものが多いのですが,一つ一つ丁寧に説明されていますので,興味あるものを選んで練習することもできます.中には使えないものも混ざっていますので,問題に直面していて,時間がない時にはいきなり利用しない方が良いと思います.普段からやり方に慣れておくべきだと思います.

私にとって有効そうな方法

昔からやっている方法

04 エジソン・ノート 記録を多くとり それを再利用 05 ノンストップ・ライティング とにかく書き出す 06 ランダム刺激 セレンディピティを利用 07 エクスカーション 05のテーマ絞り版 09 フィンケの曖昧な部品 時々100円ショップで実践している 40 赤毛の猟犬 アイデアの原っぱで転げまわる 多読するなど 41 ポアンカレのインキュベーション ひらめきは時々しかやってこない 42 夢見 夢は忘れないうちに記録 解釈はあとまわし

今後試してみたい方法

01 バグリスト ダメ出しの書出し 02 フォーカシング 感じたものと対話 14 なぜなぜ分析 2回くらいの自問自答を5回 書き出しながら自問自答する習慣 15 キプリング・メソッド 5W1H 18 仮定破壊 状況 前提 破壊 21 ディズニーの3つの部屋 夢想家 実務家 批評家の視点で書き出す 22 バーチャル賢人会議 ○○ならどう考えると想像 23 オズボーン・チャックリスト 転用 応用 変更 拡大 縮小 代替 再配列 逆転 結合. 様々な事物に事例を見つける 24 ゴードンの4つの類比(アナロジー)擬人的 直接的 象徴的 空想的 例として物理学者のファイマンは電子になりきって床を転げまわった(擬人的) アインシュタインは自分が光の速さで飛んだらと考えた(擬人的) ラザフォードの原子模型は太陽系がモデル(直接的) 小型ジャッキと魔術(象徴的) 塗り直しの要らない塗装(空想的). 自分が空想の中で それになりきる 39 タルムードの弁証法 1つの文言から数多くの意味と発想を取り出す 言葉を置き換えて意味の変化を分析 英語の文法学習のように言葉を入れ替えると意味が変る

まとめ

イデア集はあまり欲張って一度に全部をマスターしようとせず,数年かけて自分の現状に合ったものをひとつひとつ身につけていくのが良いと思います.時々本書を手に取って,ザっと全体をみて役に立ちそうなものを選んだら良いと思います.

今日はこれまで.ではまた.