今日はツツジとドウダンツツジとサツキについて調べたことをお話しします. それにしてもツツジはどこにでもあると言えるほどよく見かける植木です.道路わきにも公園にも庭先にも植えられていて人気があるけどありふれていて,私にはつまらなく思えます.でも,少し深く知ることによって興味がでて来るし,好きになってくれば楽しみも増えると思います.まず始めに白くて小さなツボ状の花でわかりやすいドウダンツツジ、次にサツキ、そしてツツジの順でお話しします。
ドウダンツツジ
小さなツボ状の白い花がなっている植木をドウダンツツジだと知ったのはつい最近です.スズランだとかスノーフレークなどを調べていて似ているなとは思っていたのですが,名前は知りませんでした.
ドウダンは灯台からきているとのこと.灯台とは岬の突端にある灯台ではなく,ともしびを載せて置く台のことで,検索して頂ければすぐわかると思いますが,敢えて言葉で表現するとすれば,野球のバットを3本組み合わせて立てている状態で一番上にボールを置くのを見かけたことがあると思いますが,昔はそこに灯火を置いて灯台と呼んだそうです.
イメージがわかなければカメラや望遠鏡の三脚を想像してください.ドウダンツツジの枝が三脚の様に分かれているので灯台ツツジ転じてドウダンツツジとなったとのことです.
[caption id="attachment_414" align="alignnone" width="300"] ドウダンツツジ[/caption]
ちなみにドウダンツツジはツツジ科ツツジ属ではなくツツジ科ドウダンツツジ属だそうです.でもツツジと呼んでいるそうです.以下,データです.
ドウダンツツジのデータ
ドウダンツツジ(灯台躑躅,日本吊鐘,学名Enkianthus perulatus) ツツジ科 Ericaceae, ドウダンツツジ亜科 Enkianthoideae, ドウダンツツジ属 Enkianthus, ドウダンツツジ E. perulatus 花期:葉が出てから約1週間後(4月上旬~5月中旬頃,地方によって違う) 花序:散形花序 花:白色,釣り鐘型5mm程度 葉:菱形に近く,約2cm,大きなものは約5cmになる ツツジ科の特徴:根が浅く乾燥に弱い 新緑,花期,紅葉と見時が多い.
サツキ
サツキの名前は旧暦の皐月(5月)の頃に咲きそろうところから名前がつきました.ちなみに2017年の旧暦の5月1日は6月24日です.6月後半から7月後半までが皐月という事です.ツツジ類としては葉が固くて小さいのが特徴です.茎には這う性質が強く渓流地帯で増水時に流されにくい特性を持っています.これがツツジとの違いです. 現在のサツキのほとんどは遅咲きの野生のサツキ(ロードデンドロン・インディカム)を園芸種として改良したものです.そして,サツキは日本固有種です.でも,学名はRhododendron indicumとなっていて,インドのバラの木という意味になっています.以下,サツキのデータです. サツキ(皐月、学名 Rhododendron indicum) ツツジ科 Ericaceae, ツツジ属 Rhododendron, サツキ R. indicum サツキツツジ(皐月躑躅), 映山紅(えいさんこう)などとも呼ばれる サツキ(皐月)は6~7月に咲くツツジ科の花 花:枝先に朱赤色の花を1~2輪つける.花冠は漏斗形で先が5つに裂ける.花径は3~5cm. 雄しべは5本.
ツツジ
最後に本命のツツジですが,前のドウダンツツジとサツキに加えてシャクナゲも学術的にはツツジ属なのでツツジとなります.ただし,日本では分けて呼んでいます.江戸時代の中期以降にツツジブームが起こり多くの園芸種が生まれました.そして,大まかな分類として遅咲きのものをサツキと呼び分けました.
ツツジの代表種はクルメツツジ(Rhododendron Kurume Group,サタツツジとキリシマの交配品種の総称,数百種)とヒラドツツジ(Rhododendron pulchrum,ケラマツツジやモチツツジ、キシツツジなどの自然交配から選びだされた,約300種ある)とその代表品種であるオオムラサキツツジ,そしてキリシマツツジなどが有名です.
ツツジ科 Ericaceae, ツツジ属 Rhododendronです.そして,大きく分けると5種類の亜属に分けられます.
[caption id="attachment_415" align="alignnone" width="300"] ツツジ[/caption]
桜や花菖蒲などと同じようにツツジも江戸時代にブームとなり品種改良されてものすごい勢いで種類が増えたのですね.江戸時代恐るべしです.大体の分類と大きな流れがわかったので,明日からはツツジをみつけたら,みんなの花図鑑を頼りに品種を特定してみようと思います.
今日はこれまで.ではまた.