近年,QRコードというバーコードに比べて情報量の多い二次元コードが普及してきました.スマホなどでも読み取れるため,URL情報などを読み取らせて特定のウェブサイトを表示するのに利用されています.QRコードはQuick Responseの意味で,多くの情報を高速で読み取ることができる様に工夫されています.今日はQRコードのお話です.
QRコードの普及
QRコードは1994年デンソーの開発部門によって開発されました.当初は自動車部品工場や配送センターで使用するためのものでしたが,バーコードに比べて多くの情報を高速に読み取れるため,多方面に普及しました.
デンソーウェーブという会社に特許権があるのですが,規格化された技術に対し,特許権を行使しないと宣言しているので,一般に無料で使用できます(特許第 2938338号).
また,近年ではスマホがQRコードを読み取れる様になったため,ウェブサイトアドレスなどをQRコードで読み取る方法が使われるようになってきました.
規格化
以下の様に世界に規格として次第に普及していきます.
1997年10月,AIM International規格 1998年3月,JEIDA規格 1999年1月,JISのJIS X 0510 2000年6月,ISO規格のISO/IEC 18004 2004年11月,マイクロQRコードがJIS X 0510 2011年12月,GS1がモバイル向け標準として制定
QRコードの仕様
QRコードの容量
数字のみ,最大7,089文字 英数(US-ASCII),最大4,296文字 バイナリ(8ビット),最大2,953バイト 漢字・かな(Shift_JIS),最大1,817文字
※ 最大容量はバージョン40(最大),誤り訂正レベルをL(最低)にした場合
誤り訂正能力(データ復元機能)
コードが汚れたり,破損しても,データを復元できる機能です.バーコードに比べ,データが圧縮表示されているので,この機能は必要です.
リード・ソロモン符号という符号を元データに付加することで実現しています*.
レベルが色々あるのは使用環境によって破損率が変わるので,採用者がレベルを選択できる様になっています.高レベルにするとデータ量は減ります.
レベルL,約7%復元可能 レベルM,約15%復元可能 レベルQ,約25%復元可能 レベルH,約30%復元可能
*リード・ソロモン符号 Reed-Solomon Coding
QRコードの種類
現行ではモデル2が使用されています.開発当初のモデル1はJIS X 0510(2004年11月20日改定)で既に非推奨となっています.
マイクロQRコード
2004年11月,JIS X 0510で規格化されました.QRコードの小型版で11x11セル-17x17セル,容量はバーコード程度だが,表示面積は1/10-1/100です.
iQRコード
QRコードの新規格で,より多くの情報を表現できます.iQRコード(422×422セル)だと,約40,000文字まで記録できます.
以上が,QRコードを知るための基本ですが,詳しくは以下のサイトがわかりやすいです.
今日はこれまで.ではまた.