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バーコードのしくみ 1

バーコード

お店に行くとあらゆる商品についているバーコード.なぜ,ついているのでしょうか?どのような仕組みになっているのでしょうか?ざっと読んでいただければ基本が理解できるようにお話しします.

バーコードは機械と人間の橋渡し

バーコードの内容は下に数字や文字が書いてある通りです.機械が数字を直接読めばよいのですが,機械の文字認識の不完全な時代でも安定して読み取れる様に様々な工夫が施されています.

数字や文字は小さいのでもし一部でも汚れたりすると読み間違えをします.バーコードの様に縦長の棒ならば一部が読めなくなっても機械で読み取れるので安定します.

また,チェックディジットという,一番最後の数字と数学的な仕組みで検算もするようになっています.

バーコードの種類

バーコードは縦棒の幅(太さ)とスペースの幅の組み合わせで数字や文字を表現しています.表現方法は自由なので様々な取り決めがあります.世界では100種類以上の種類があります.

主なものは以下の通りです. 1. JAN/EAN/UPC ジャン/イアン/ユーピーシー 2. ITF アイティーエフ 3. CODE39 コード39 4. NW-7(CODABAR) エヌダブリュー7(コーダバー) 5. CODE128 コード128 6. その他:(歴史的なものも含む)Industrial2of5,Matrix 2of5,Code11,Code93,Code 32,Interleaved2of5, ChinaPostal Code, MSI Plessy Code,UK PlessyCode,Telepen Code,IATACode, GS1 Databar,…….

  1. JAN/EAN/UPCが流通コードとしてJISで規格化されていますのでよく見かけますね.

  2. ITFは企業間の取引単位である集合包装に対し設定された日本での標準物流コードです.

JAN/EAN/UPCは0-9の数字のみの取り扱いと,短縮8桁(標準13桁)と文字数制限があります.ITFは14桁と16桁の2種類があります.

どちらにしても,文字数が少ないので,もっと長い文字数やアルファベット,記号(+,-,$,%)を使う場合は別のコードを使うことになります.例えば,工場内,宅配便や図書館,医療関係などでは多くの文字数,記号,英文字などが読み取りに必要ですので,様々なコードが存在します.

JAN/EAN/UPCコードについて

世界共通商品コードとして使われています.JANは日本での呼び名です.アメリカ,カナダで使われるUPCと共通ですが,国際的にはEANと呼ばれています.

それそれ, JAN=Japan Article Number, EAN=European Article Number, UPC=Universal Product Code の略です.このバーコードのバーの幅は4種類です.2本のバーと2本のスペースで1文字を表します.

JANコード

国際的にはEANコードと呼ばれます.日本ではJANコードと呼ばれていますので以下JANコードとします.JIS-0507で規格化されていますが,これはISO/IEC 15420:2000を採用しています.つまり,EAN/UPCの基本仕様と同一です.

JANコードの仕組み

商品のバーコードを見ると,バーの下に数字が書いてあります.「4912345 || 678901」などとあります.

企業コード

前半の7桁「4912345」まではJAN企業コードといいます(9桁の場合もあります).最初の2文字45,49は日本の国コードです.

45始まり(日本)

450-455→7桁JAN企業コード 456-459→9桁JAN企業コード(2001年から申請急増により採番開始)

49始まり(日本)

490-499→7桁JAN企業コード

46-48始まり

ちなみに45-49始まりの間にある,46-48始まりは, 460-469ロシア連邦 470 キルギスタン 471 台湾 480 フィリピン 489 香港 等の国コードです.

また, 000-139 アメリカ合衆国 300-379 フランス 400-440 ドイツ 500-509 イギリス 690-695 中華人民共和国 789-790 ブラジル 800-839 イタリア 900-919 オーストリア などとなっています.

商品アイテムコード

「4912345 || 678901」中,後半の5桁67890」は商品アイテムコードといいます(3桁の場合もあります).番号を取得した企業が自由に商品番号を付けられます.5桁あれば00000-99999で最大10万番号あります.

3桁だと000-999で1000番号ですね.1000番号で十分な企業には3桁すなわち456-459で始まる9桁企業コードを与えます.

ソースマーキング

以上の様に,製造元や発売元が商品の生産・包装の段階でJANコードを商品の包装や容器に印刷することをソースマーキングと呼びます.このマーキング目的で使用する場合は企業コードを登録申請する必要があります.

インストアマーキング

一方,店内だけで使う目的でバーコードを印刷するのなら申請登録する必要はありません.これをインストアマーキングと呼びます.ただし,ソースマーキングと混同を防ぐために最初の国コード2文字を45,49の代わりに20-29を使うルールになっています.これは国際ルールです.

チェックデジット

最後の1文字がチェックデジットと呼ばれる検算用の数字です.読み取りミスがあった場合,数学的に検出するための方法で,モジュラス10/ウェイト3という方法を使っています.この方法で,100%検出できるわけではありませんが,ある程度の読み取りミスを90%程度以上検知できますので,有効です.

今日はこれまで.ではまた.