キョウチクトウの花が咲いています.キョウチクトウは夾竹桃と漢字で書きます.これは葉が竹に,花が桃に似ているところからこの名がついています.ちなみに夾の文字は両側から挟むとか間にまじるの意味があります.この木の中に竹と桃が雑じっているということでしょうか.
キョウチクトウは乾燥や大気汚染に強く都市部でも育つので街路樹や公園などでよく見かけます.厳しい都市環境でも良く育つ木なのであちらこちらに植えられています.
また他毒性が強いので花粉媒介の昆虫や小動物が寄り付かず,受粉しにくい為,日本では果実や種子はまれにしかできません.
その為,挿し木で増やします.都市部でも良く育ち,虫がつかないので好まれます.唯一つく虫としてはキョウチクトウアブラムシとシロマダラノメイ蛾,キョウチクトウスズメ蛾の幼虫くらいです.
毒性
経口毒性(食べると中毒)があり人や動物に対して強い毒性があります.花,葉,枝,根,果実すべてと周辺の土壌にも毒性があります.燃した煙も危険です.腐葉土にしても1年間は毒性が残ります.
中毒の症状としては,嘔吐,四肢脱力,倦怠感,下痢,非回転性めまい,腹痛などが起きます.
キョウチクトウにはオレアンドリン(oleandrin:C32 H48 O9)という毒性物質があります.オレアンドリンの致死量は約0.3mg/kgで,60kgの体重の人だと18mgで死にます.青酸カリ(KCN)の致死量は約3㎎(60㎏の体重で200㎎)ですから10倍の毒性があります.
キョウチクトウのデータ
目 : リンドウ目 Gentianales 科 : キョウチクトウ科 Apocynaceae 亜科: キョウチクトウ亜科 Apocynoideae 連 : Nerieae 属 : キョウチクトウ属 Nerium 種 : セイヨウキョウチクトウ N. oleander 亜種: キョウチクトウ N. o. var. indicum 学名: Nerium oleander L. var. indicum (Mill.) O.Deg. et Greenwell 別名: Nerium indicum Mill. 和名: キョウチクトウ(夾竹桃) 英名: oleander
形態: 常緑低木 3-5メートル 原産: インド原産,中国経由で江戸時代中期に伝来しました. 開花: 6月から9月.五弁で先端がスクリュー状に曲がっています.ピンク,黄色,白など多数の園芸品種があります.八重咲き種もあります. 花言葉: 用心,危険 季語: 夏 語源: Neriumはギリシャ語のneros(湿った)湿地によく育つ植物なので. indicumはインドのという意味でインド原産の植物です.
今日はこれまで.ではまた.