山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

七夕伝説 織姫と彦星のお話し

七夕

七夕のお話は皆さんよくご存じのことと思います.織姫と彦星が天の川を挟んで分かれ分かれになって暮らすという中国のお話です.

子供の頃に聞かされた話なので意味がよく分からなかったかも知れませんが,実は織姫(織女)と彦星(牽牛)は結婚した後,以前の様にせっせと働かず怠けてばかりいるようになりました.それを天帝が怒り二人を天の川の両岸に引き離したというお話です.

そして,きちんと働いたら年に一度だけ7月7日に会わせてもらえる事になりました.ああよかったと言うべきかかわいそうというべきかよくわからない話です.

中国六朝,梁代の殷芸による小説には以下の様になっています.

「天の河の東に織女有り,天帝の個なり.年々に機を動かす労役につき,雲錦の天衣を織り,容貌を整える暇なし.天帝その独居を憐れみて,河西の牽牛郎に嫁すことを許す.嫁してのち機織りを廃すれば,天帝怒りて,河東に帰る命をくだし,年に一度会うことを許す」

他にも「天河配」など全然違ったストーリーのものもあります.興味ある方は検索して見てください.

さて,それから数千年経ち,現代に至るとやっと願いがかない,都市部では天の川は見えなくなり,7月7日にならなくても二人を阻む大河は無くなりました.きっとしっかり働おかげなのでしょうね.

さてそれから,さらに働いて,大気汚染や光害(都市部の光で星が見えなくなる現象)そしてビルの高層化が進み,星すら見えにくくなってしまいました.

人々の心から毎晩輝いていた星が消え去り,星と言えばプラネタリウムという時代になってしまいました.そんな人達が山奥の温泉などで満点の星に出会うとびっくりします.プラネタリウムと同じだ!,と...多くのものを得て多くのものを失った今日です.

星を意識しましょう

毎日の生活の中で星を見るが無くなったあるいはもともと無い人が増えてきたと思いますが,せめて一番星を見つけたら,それは何の星なのか調べておく習慣を持ちたいものです.

一度見つけると同じ時間同じ場所で何度も見つけられてだんだん馴染んできます.そして,季節ごとの代表的な星座くらいは位置を把握して置けば比較的簡単に見つけられる様になりますよ. 夏の大三角

織姫星,彦星のデータ

織姫星

こと座のベガ,こと座α星 アラビア語の意味は「急降下するハゲワシ」

視等級(V):0.03 (変光星-0.02-0.07) 距離:25.03 ± 0.07光年[注 1] 半径:太陽の2.73倍 質量:太陽2.6倍 年齢:3.5x108年(3.5x100,000,000年)

彦星(牽牛星)

正式名:わし座のアルタイル,わし座α星 アラビア語の意味は「飛んでいる」という意味

視等級(V):0.76 距離:16.72 ± 0.05光年 半径:太陽1.6-2.03倍 質量:太陽1.79倍 年齢:109年(1,000,000,000年)

今日はこれまで.ではまた.