山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

騒音と対策 耳栓,イヤーマフ,サウンドマスキング

耳栓

西欧の文化先進国に行くと不必要な環境音や騒音を出さない文化に驚きます.でも,日本に住んでいるとまだまだ騒がしい環境が残っていて多くの人達が苦しんでいます.

自分のことより他人や社会を大切にする日本人の文化はどこへ行くのでしょうか?確かに自動車のクラクション音はほとんど聞かなくなりました.バイクの暴走音もかなり減りました.酔っぱらいの叫び声や歌声もほとんど聞かなくなりました.最近ではリサイクルカーの大音量の呼びかけもめっきり減りました.個人個人の意識はかなり向上しています.さすが民度が年々向上していく日本です.

でもその反面,親切心からなのかも知れませんが,余計なお世話とも思える公衆放送音は増えてきました.

依然として駅や電車内での放送や発車ベルの音,ショッピングセンターやスーパーでの無用な放送,鳴り続ける踏切音,超低速で走るのだから小さい音でも問題ないのに年々大きくなる救急車のサイレン音,防災無線のテストかも知れないけれど電話も聞こえなくなるほど超大音量の夕焼け小焼けの歌,周辺に聞かせる必要の無い学校の鐘の音などなど...日本で生活を営む限り逃げられません.

本当に必要な放送と不必要な放送を分別するのは発信者の良識にゆだねられています.建て前だけで議論して無理やり理由を付ければ全て必要になるでしょうし,最大音量でセットしておけば問題が起きたとき責任は免れます.音を出す方は社会正義や公共の為として音を出すかも知れませんが,聞かされる方は声なき被害者になります.

チョット考えればわかることですが,今のスピーカーシステムは昔の貧弱なものと比べ物にならない程,鮮明で大きな音が出るのです.小さな音でも聞こえるのです.そして大声で騒げば騒ぐほど人々は耳を塞ぐのです.まるでオオカミ少年の話みたいですね.

そして騒音は社会全体から見てもマイナスとなるストレスを人々に蓄積し,些細なことがイザコザの引き金になるのです.

社会は新しいものを手に入れると使い方に慣れるまで通常30-50年かかります.自動車やバイクが普及すると間もなく無用なクラクションやスピードオーバーや信号無視,バイクでの暴走行為などが無くなるまで数十年かかりました.スピーカーシステムもうまく使える様になるにはそのくらいかかるのでしょうね.

騒音や花粉が公害だと日本全体が気がつき,問題化してだんだん良くなって行くまでにはまだまだ時間がかかりそうです.

さて,ここからが本題です.騒音が無くなる社会に期待できなければ自分で対応するしかありません.社会で30年かかることでも個人レベルでの対応なら3日もあれば十分です.一週間もあればグッズの使い方に習熟できる様になります.

騒音は自分でコントロールできればストレスは減る

騒音はコントロールできないところにストレスが生まれます.何も悪いことをしていないのに一方的に耳の自由を奪われるからです.一種の拷問です.

でも,騒音をある程度以下にすれば別のことに集中する自由が得られます.このレベルを騒音閾値と呼びます.騒音を閾値以下におさめるにはどうしたらよいでしょうか?

騒音を閾値以下にするには以下の方法があります.

1. 建物で騒音を防御する

2. 耳に入る騒音を減らす

3. 耳に入る騒音を別の音で薄める

  1. は二重窓にしたり,防音壁にしたりして外部音を遮断する方法です.
  2. は耳栓やイヤーマフという防音専用のヘッドホンを使う方法です.
  3. はホワイトノイズなどのザーザー音や水の流れや鳥の鳴き声などの環境音を出して外部の音を聞こえにくくする方法です.

私1.2.3.をケースバイケースで併用します.1.の防音対策はここでは省きます.さて,2.3.の実例ですが,次のように運用しています.

騒音対策の実際例

対策別に3種類の方法があります.

対策1:お手軽遮音

まず第一段階として耳栓をします.耳栓は低反発スポンジ型のものを使用します.これでほとんどの音を半分以下にできます.常時持ち運びできますので便利です.ただし,サイズや硬さに相性がありますので何種類か試しに購入して自分にあったものを見つける必要があります.

対策2:完全遮音

特に大きな騒音に対しては暫定的にイヤーマフという防音専用のヘッドホンを耳栓をしたままで装着します.音は90%以上遮断できます.体内の呼吸音や筋の動きが聞こえる程外部音は消えます.装着感はあまり良くないので長い時間利用できません.

対策3:長時間遮音または長時間集中

対策1,2でノイズのレベルは問題なくなるのでステージ3では長時間の防音対策になります.

対策3A:一般的なサウンドマスキング

(サウンドマスキングとは騒音に別の音を重ねて気にならないようにすること) 環境音または音楽を手元のスピーカー等で流して遮音します. 比較的静かあるいは断続的な騒音なら気にならなくなります.大きな騒音だと効果はありません.

対策3B:強力なサウンドマスキング

イヤホンやヘッドホンで音楽を聞きます. これは一般的な方法です.3Aよりも強力です.でも,音楽を聴きながらだと作業には良いのですが,考える時や記憶するときには妨げになります.

対策3C:長時間集中用

「耳栓+ヘッドホン」で音楽で遮断します. 騒音下で集中したいときに効果的です.音楽が邪魔な時はホワイトノイズ音や環境音を使います.私は場合ホワイトノイズは耳元に近すぎて圧迫感が嫌です.風の音などの環境音を利用します.水の音は集中時に気になって使いにくいです.人それぞれなので良い音を選んでおいてください.音楽も騒音対策集中用などのプレイリストをつくっておくと便利です.

以上私の騒音対策実例です.状況に応じて1,2,3A,3B,3Cの方法を切り替えながら対応します.限界がありますので環境音,ポッドキャストオーディブルなども加えます.

自分で自分の嫌いなものを遮断する自由を持つことは精神衛生上大切です.人それぞれの感性レベルの違いでストレス閾値は違います.騒音がすごく気になる方はいろいろと試してみてはいかがでしょうか?道具は使い方に慣れないとうまく使える様になりませんのでいろいろそろえて楽しみながら対処していくと騒音が待ち遠しくなりますよ.

チョットした投資で静寂や心の安静が得られるならイライラして精神崩壊するよりはるかによいのではないでしょうか?

上記の実例を全部やっても必要なものは以下の通りです.

騒音対策に必要なグッズ

耳栓(低反発スポンジ素材)---数百円 ・イヤホン(ブルートゥースイヤホンが便利です)---数千円 ・イヤーマフ---数千円 ・小型スピーカー(ブルートゥーススピーカーが便利です)---数千円

その他に音楽・環境音発生用としてスマホiPadなどノイズ発生アプリのインストール---無料 ・プレイリスト作成---無料

スマホiPadが無くても工夫すれば携帯,PC,ラジカセ,ステレオなどでも代用できます.

今日はこれまで.ではまた.