150年以上前の1865年,まだ日本では明治(1868年)になる前ですが,ウインパーがスイスのマッターホルンの登頂に成功しました.
https://www.youtube.com/watch?v=wUo47y2r_k0
Zermatt, the first ascent of the Matterhorn, Edward Whymper
当時はビデオカメラなど無く,蓄音機や乾板式写真(1871年にイギリスのリチャード・リーチ・マドックスの発明)すら存在していませんでした.当然ですが,上の動画は最近つくられたものです.でも,当時の雰囲気がわかるような気がします.
麓にあるツェルマット村も,当時は山奥の貧しい寒村でした.ウインパーの初登頂成功から,この村は全世界から脚光を浴びるようになり,現在では世界有数の観光地として有名になっています.私も2度ほどスキーで訪れたことがあります.
今でこそ登山鉄道やケーブルカーで近くまで行けますが,当時は延々と続く谷沿いの道を機材を運んで登って行ったわけですから,一大プロジェクトです.
ウインパーは1940年4月27日生まれですから,当時25歳だったことになります.
この登山で4名の遭難者がでたことも,よく知られた話です. 1871年に出版された「アルプス登攀記」にはその時の様子が記録されています.
「アルプス登攀記」は有名で,岩波文庫などにもありますので,アマゾンのリンクを載せておこうと思いましたが,過去に何種類も出版されているにも関わらず,新品は見つけられませんでした(中古はあります).
以前から気づいていましたが,人気の少ない書籍は絶版になって出版されなくなります.最近は特に多くなってきているようです.日本の出版業界もレコードやCDと同じような道をたどっているようです.本の時代は終わってしまうのでしょうか?
ウインパーも実は画家で,多くの優れた登山図版を残していますが,後年になって写真技術が進歩してくると図版製作をやめてしまいました.
「マッターホルン 登山」などで検索すると手軽に数多くの動画を無料で見れるの時代です.
https://www.youtube.com/watch?v=VA0QopkQYjY
World's Fastest Person to Climb the Matterhorn | Dani Arnold (ウインパーもビックリな超駆け足登攀です!)
こつこつと何時間もかけて「アルプス登攀記」を読み,夢を膨らませる人はいなくなるのだろうと思います.漫画ですら本より動画のアニメになっていく時代ですから,今後文字の文化はどうなっていくのでしょうね.
https://www.youtube.com/watch?v=OvV4P7kFy_o
THE MATTERHORN
エドワード・ウィンパー Edward Whymper (1840-1911)
今日はこれまで.ではまた.