暖かくなって来たと思ったら,花粉が猛威を奮っています.目鼻喉すべてボロボロですが,最近の点眼薬と点鼻薬が良く効くので助かります.
目薬など,以前は数千円のものを使っていましたが,何種類か安価なものを試して,数百円のものでも,私にとってはかなり効果のある薬を見つけました.点鼻薬も昨年から使い始めました.
サンテ ALクールII
本目薬が自分にとって良く効きます.有効成分としては,
クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン剤) 分 量:0.03% アレルギー症状の原因となるヒスタミンの働きを抑え,目の炎症・かゆみ を抑えます.
グリチルリチン酸二カリウム 分 量:0.25% アレルギー原因物質の放出を抑え,炎症をしずめます.
イプシロン-アミノカプロン酸 分 量:1.0% 炎症の原因となる物質の産生を抑えます.
塩酸テトラヒドロゾリン 分 量:0.03% 血管を収縮させ,結膜(白目の部分)の充血を除去します.
成 分:タウリン 分 量:1.0% 細胞の代謝を活発にし,炎症で傷ついた目の組織修復を促します.
成 分:パンテノール 分 量:0.1% 細胞の代謝を活発にし,炎症で傷ついた目の組織修復を促します.
などですが,クロルフェニラミンマレイン酸塩がかゆみを引き起こす物質の働きを抑えます.
そもそも免疫反応は炎症などをわざと起こすことで抗原を排除し,体を保護し病気などを防ぐ機構なのですが,強すぎる免疫反応が花粉によって引き起こされています.
具体的には,肥満細胞と呼ばれる細胞がヒスタミン,ロイコトリエン,トロンボキサンなど生理活性物質を放出します.これらをケミカルメデイエーターというのですが,これがH1受容体という部分に結びつくと,かゆみ,くしゃみ,鼻水(血管拡張と水分滲出),鼻づまり(粘膜の腫れ)といったアレルギー反応が起ます.
クロルフェニラミンマレイン酸塩はヒスタミンとH1受容体の結びつきを妨害することで,アレルギー反応を抑えます.この効果は即効性があり,効き目が早いのが特徴です.
ケミカルメデイエーターの放出を抑制するなど,他の方法でアレルギー反応を抑える薬もありますが,今日はここまでとします.
肥満細胞(mast cell)とは
肥満細胞とは肥満とは関係なく,形が肥満状態なのでそう呼ばれています.血管周辺や結合組織中にみられる大型の球形または多角形の自由細胞です.
ケミカルメディエーター chemical mediatorとは
細胞から細胞への情報伝達に使用される化学物質です.具体的には抗原抗体反応や炎症反応の際に遊離されるヒスタミンやセロトニン,ペプチド,ロイコトリエン,トロンボキサンなどです.痛みやアレルギーの症状など様々な作用を引き起こします.ケミカルメディエーターの合成阻害薬,遊離抑制薬,受容体拮抗薬などが医薬品として用いられています.
クロルフェニラミンマレイン酸塩のデータ
名称:Chlorpheniramine Maleate 化学名:(3RS)-3-(4-Chlorophenyl)-N,N-dimethyl-3-pyridin-2-ylpropylamine monomaleate 分子式:C16H19ClN2・C4H4O4 分子量:390.86 融点:130〜135℃ 薬効分類名:抗ヒスタミン剤 用途:じん麻疹,血管運動性浮腫,枯草熱,皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症,薬疹),アレルギー性鼻炎,血管運動性鼻炎,感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽
今日はこれまで.ではまた.