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紫外線にはUVA,UVB,UVCという区分けがある.詳しく見てみましょう

紫外線 夏が近づくと日々紫外線量が増えて紫外線対策が重要です.対策についてはいろいろなサイトで説明されていますので,ここでは紫外線やその周辺の知識を整理して感覚的に理解してみましょう.

紫外線のことを調べると,可視光,紫外線,赤外線,さらにUVA,UVB,UVC,大気,オゾンなどの専門用語がたくさん出てきます.一度に理解しようとするとわかったつもりでもすぐ忘れてしまいます.複雑なものは丸暗記ではなくて,人の感覚を使って紫外線を理解してみましょう.

光は電磁波です.だから波なのです???

まず,初めに光は電磁波です.電磁波というと,電波のことで,目に見えないテレビやラジオや無線のあれを思い出すかもしれませんが,人は毎日目を覚ました時から眠るまで,一日中電磁波を見ているのです.電磁波の目に見えるものを光と呼んでいるのです.「私は電磁波がみえる」と言っても実は驚くに値しないのです.目の不自由な人以外,誰もが毎日見ているのです.ただし,可視領域の電磁波だけですけれど......

電波は波と聞いたことがあるでしょうか?波と言えば海の波,なんで目に見えないのに波なの?音も波,でも見えない?子供の頃から聞かされて知っているかも知れません.でもなんだか腑に落ちないものがありませんか?犬をみて,あれは猫と同じだ,と言われているようでよくわかりません.

でも,四つ足で歩く動物としてみれば同じものだと言えます.生き物の仲間とみれば犬も猫もサルも人も同じなのです.大きくくくってしまえば,みな同じ仲間になってしまうのです.「あれは波だ」だから海の波も,音も,電波も一緒だとも言えますし,違いを拡大してみれば別物だともいえるのです.拡大して区別してみるほどの知識が無い時は大きく括って同じものだと言い切るわけです.

普通に波と言えば水の波のことを言います.それは人が昔から見慣れていて,誰でも知っているからそれをもとに「波」の意味を拡大して多くの人に理解してもらい易いように利用しているのです.

水の波の場合は高さが周期的に高くなったり低くなったりして前に進んで行くように見えます.進むといっても高さ低さが進んでいるだけで,実際の水は大部分が同じところに留まって上下しているだけなのです.このような現象を「波」と大きく括って表現しているのです.ですから,海の波と電波や音の波は波という仲間ではありますが,細かく見ると違う現象なのです.でも,周期的に強くなったり弱くなったりしながら前に進んで行くのは同じです.

光の波にも長さがあります

従いまして,光には周期的に強弱があって,強から強まで,弱から弱までの長さは同じ長さですが,いろいろな長さの波があります.この長さのことを波長と言います.

光の波長はすごく短い.短いと聞いてどのくらいの短さを想像しますか?1㎜ですか?1㎜の一万分の一ですか?実はもっともっと小さくて,nm(ナノメートル)という単位で表す大きさなのです.ちなみに1nmは1/1,000,000,000mです.ひと波の大きさはこの程度です.感覚的に分かりにくいので,思い切ってこの長さ1nmを1cmにしてみましょう.そうすれば30nmは 30cmの物差しの長さ,160nmは160cmですから人の背の高さとイメージできます.ちなみにこの場合の長さは10の10乗倍,1の後ろに0を10個,すなわち10,000,000,000倍,漢字で表すと百億倍です.

UVA,UVB,UVCの長さ やっとここまで来ました.では,それぞれの長さを見てください.波長を nmのところを感覚的に理解するために,強引にcmで表記しました.本当はnmです.

UBC: 200–280 cm 天井の高さ UVB: 280–315 cm UVA: 315–380 cm 軽自動車

良く見て頂くと,C,B,A の順に200-380 cmまでの領域だとわかります. ちなみにこれ以上の長さになると人の目に見えてきます.380-750 cmの領域を細かく色分けしています.

紫: 380-450 cm 小型車 青: 450-495 cm 普通車 緑: 495-570 cm 黄: 570-590 cm オレンジ: 590-620 cm 赤: 620-750 cm 小型バス (*百億倍して,nmを強引にcm表記)

波長の大きい方から順に見ていくと,すなわち,赤,オレンジ,黄色,緑,青,紫,UVA,UVB,UVCという順番になります.目に見えなくなる紫外線を便宜的に目に見える側に近い方からA,B,Cと色として名付けているだけなのです.ちなみにもっと短い波長もあります.ABCを近紫外(near UV),さらに短いものを遠紫外あるいは真空紫外と呼びます.近い,遠いというのは人の見える範囲から近い,遠いの意味です.

なぜ,真空紫外と呼ぶかと言いますと,この領域の紫外線は大気に反応してしまうためです.空気のある地上でこの光を出しても,すぐに空気と反応するので,真空紫外の研究をするには真空中で行います.太陽から真空紫外光が地球に届きますが,大気のおかげで全て遮られています.

紫外線対策すべきはUVAとUVB

さて,ここまでで紫外線は電磁波つまり波であること,そして波の長さ,波長があること,そして,見えないけれどA,B,Cという名前がついていることを学びました.

そして,Cよりも短い波長の紫外線を遠紫外または真空紫外とよび,空気と反応するため地上までは届かない,ことを学びました.実はUVCも真空紫外に近いので,ほとんど届いていません0.5%.UVBは少しだけですが地上まで届いています.また,UBAもソコソコ5.6%に届いています.この少しとかソコソコが人にとって極めて良くないのです.

具体的には皮膚の真皮層に到達し蛋白質を変性させます.皮膚の弾性を失わせ老化させます.一方,物質交代の細胞の機能を活性化させる場合もあります.紫外線による利点として皮膚におけるビタミンDの生成があります.

いずれにしても強い紫外線がある日は対策をするべきです.

紫外線にはUVA,UVB,UVCという区分けがある.詳しく見てみましょうのまとめ

  1. 光は電磁波,光の波にも長さがある

  2. 光の長さはnmサイズ,百億倍するとcmになるので感覚がつかみやすい

  3. 赤,オレンジ,黄色,緑,青,紫,UVA,UVB,UVCという順番

  4. cm化した場合の長さ(*百億倍して,nmを強引にcm表記) UBC: 200–280 cm 天井の高さ UVB: 280–315 cm UVA: 315–380 cm 軽自動車 紫: 380-450 cm 小型車 青: 450-495 cm 普通車 緑: 495-570 cm 黄: 570-590 cm オレンジ: 590-620 cm 赤: 620-750 cm 小型バス

  5. ABCを近紫外(near UV),さらに短いものを遠紫外あるいは真空紫外

  6. 紫外線対策すべきはUVAとUVB

  7. 強い紫外線がある日は対策をするべきです

今日はこれまで.ではまた.