滋養豊富なはちみつは天然の甘味成分ですので,仕事などで頭と体が疲れたときのリフレッシュに最適な食品です.もちろん,はちみつの使い方は自由ですが,純粋にはちみつだけを深く味わって楽しみたいものです.目を閉じて,舌の上で時間をかけてゆっくり味わうことで疲れた頭のリフレッシュもすることができます.以下,私のはちみつの味わい方を具体的に紹介します.
スプーンに載せます
まず,はちみつを大きめ(好みによる)のスプーンに載せます.載せる際の方法ですが,はちみつの容器は大きく分けて二種類あります.瓶に入っていてスプーンなどですくうタイプ,そしてハニーディスペンサーやスーパーなどで一般的なポリのボトルで注ぎ口が付いたものとに分けられます.
後者であれば取り扱いが容易なので,そのままスプーンにゆっくり注げば良いのですが,瓶に入っているタイプは扱いにチョットした工夫が必要です.でも,この工夫が後で楽しみのもとになります.
瓶からスプーンですくいます
新しい乾いたスプーンを使います.はちみつの中に入れますので,汚れたものや濡れたものを入れると,はちみつが早く劣化する原因になります.スプーンをまっすぐ2㎝程,だいたいスプーンのすくう部分の中ほどまで入れて,はちみつをすくいます.
スプーンを引き上げて水平近くにするとはちみつのタレが糸となって瓶の中に戻ります.糸が細くなってきたら徐々に引き上げて10㎝位の高さまでもっていきます.糸はなかなか切れませんが,イライラせずに糸がだんだん細くなる様子を眺めましょう.楽しめるようになればプチはちみつ道の始まりです.
糸がすごく細くなったり,途切れる様になったらスプーンをクルリと一回横に回します.こうすることではちみつがスプーンに絡みつき口に運ぶ際,途中で垂れにくくなります.
直接注げるタイプの容器の場合はこの楽しみはありませんが,容器からスプーンに注いだ後のはちみつの切れる様子は同じように楽しめます.
スプーンに載ったはちみつを舌の上に落とします.スプーンは唇ではちみつ切りをします.舌の上においたはちみつはけっして飲み込んではいけません.口を閉じ,できる限り舌の上においたままにします.次にスプーンを片付けて,瓶や容器のフタを閉じ,保存場所に戻します.
はちみつを味わう
舌の上においてあるはちみつは味わうためのものですから,けっして飲み込んだりしません.口を閉じたまま,舌の上と上あごの間で長く保ちます.しばらくすると口の中にはちみつの自然な甘味が広がります.そのまま甘味を味わいます.味が薄くなってきたら舌の先で上の歯茎の裏あたりをゆっくりこすります.するとまた口全体に甘味が広がります.この動作をゆっくり何度か繰り返すとはちみは無くなりますが,味の余韻は5分間以上残ります.
食べ物や飲み物などを一緒に口に入れてしまったり,飲み流してしまうとせっかくの味が台無しになります.せっかちにならずに,目を閉じて,ゆっくりリラックスしながら天然の味を味わいましょう.
プチはちみつ道
以上の作法を何日か続けて行くと,次第に儀式の様になってきます.茶道や華道の様に自然に動作が振舞えるようになってくると同じ動作をすることで気分が調整でき,心が落ち着きます.行動の芸術の域まで高められると生活に一つ楽しみが増えます.私はこれをプチはちみつ道と名づけ,知り合いに伝えています.
もちろんやり方は自分で自由に工夫していけばよいので,皆さんもそれぞれにマイはちみつ道をみつけて実践してみてください.動作がスムーズでかつ効率的になってくると誰が見ても美しく見えるようになります.自分独自の方法を見つける楽しみもありますよ.ただし,はちみつは糖分ですからとり過ぎに注意しましょう.