山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

「縄文の村」に行ってきました.多摩センターの東京都埋蔵文化財センターにある遺跡庭園です

縄文住居

京王線小田急多摩センター駅から線路に沿って5分ほどのところに縄文の村があります.ここは昔縄文人が住んでいたところで,多摩ニュータウンNo.57遺跡という縄文時代集落跡に盛り土をして遺跡庭園としたものです.

多摩ニュータウン

すぐ横は線路で多摩ニュータウンの街並みの真ん中にありますが,何千年前はこのような森だったのだと思うと不思議な感じです.

東京の西部の多摩丘陵は今から約50年前の1966年から開発事業が行われ今では多摩ニュータウンとして東西約15㎞,南北約5㎞巨大な住宅市街地区となっています.

開発事業中に多くの遺跡が発見されその数は900以上ありました.遺跡は旧石器時代から近代まで様々で,この地域が住環境に適して,古くから人々が住んでいたことを物語っています.数百年後には今のニュータウンも遺跡の一つになってしまうかも知れません.

東京都埋蔵文化財センター

さて,縄文の村の脇には東京都埋蔵文化財センターの建物が隣接していて,展示施設となっています.ここには旧石器時代から江戸時代までの展示されています.多くのイベントも開催され見学もイベント参加も無料です.

この施設では展示ばかりではなく,調査・研究もおこなわれています.これらは東京都スポーツ文化事業団の事業で,同事業団は本施設の他に東京体育館駒沢オリンピック公園総合運動場東京武道館東京辰巳国際水泳場などを管理しています.

火焚き

縄文の村に戻りますが,見学中に火焚きというのをやっていました.ただの焚火なのですけど,縄文の住居内で焚火をしていました.狭くうす暗い所で火を焚いていました.真夏の暑い時に,焚火はサウナの様ですが,それに加えてすごく煙かったです.それでも薄暗闇に中で数分過ごすと独特な寛げる雰囲気が味わえます.

江戸時代の囲炉裏や火鉢,石炭・コークスストーブなど近年まで続いた火を囲んで面倒を見ながらのんびり暮らすという寛ぎの習慣が空調とテレビやスマホに代わってしまったのは残念です.現代人にとって火鉢や暖炉のある生活は憧れです.

火おこし

イベントの一つに火おこし体験という,手で火を起こすイベントをしていました.早速申し込んでやってみました.「舞いぎり」という手動で回転させる道具をつかう方式と「もみぎり」という有名な木切れをキリの様に手のひらで回して火を起こす方式のどちらかを選べます.

舞ぎり式は回すことさえできれば簡単なので,もみぎりを選びました.もみぎりに使う棒は竹,アジサイ,ヤマブキ,ウツギがあります.こすり合わせる板の方は杉材とのことです.

棒の種類によって難易度が変わるとのこと.こすり合わせる最中に出て来る細かい木の粉に火が付いたら成功です.

実際に,チャレンジしてみると,数回で確かに煙が出てきます.だけど点火までもう一息のところで力尽きます.

説明員の方によると短距離走の様に短時間に集中すること.そして体重を十分にかけること.棒の上の方を持って回し,だんだん下まで下がって来るけれど,なるべく回し続けることなどが要領とのことです.

呼吸を整えてもう一度チャレンジしましたが,煙が出て焦げる臭いもして,あともう少しのところで息切れ.

数回繰り返していると手のひらに違和感があります.見ると手のひらの皮が剥けています.悔しいのでそれでも我慢して繰り返しても,手の湿り気と油が抜けてきて,手が滑り棒を回しにくい上に皮むけの部分から血が出てきました.

これ以上は無理,無駄と判断して,悔しいけれどギブアップしました.帰りに「火おこし体験証明書」というのを頂きました.火おこしに成功すると「火おこしマイスター」の称号が得られるとのこと.悔しいのでまた挑戦しに行きます.

次回は,もみぎり式火おこしについて考えたことを「もみぎり式火おこしの考察」として,反省も含めて記事にします.

今日はこれまで.ではまた.