約150年前まで使われていた旧暦と呼ばれる太陰太陽暦(天保暦1844-1872)では3月を弥生(やよい)と呼んでいました.これを「和風月名」と言います.
生活が自然と密着していた昔は生活を季節に合わせて過ごしていました.和風月名の他にも季節や行事に合わせて月を呼ぶ習慣がありました.これらを別名とか異名と呼んでいます.
以下,様々な呼び方を見ていきましょう.新暦と旧暦は1-2カ月の差がありますので,季節感がずれています.
ちなみに新暦とは現在使用している太陽暦であるグレゴリオ暦(Calendarium Gregorianum, Gregorian calendar),旧暦とは太陰太陽暦(天保暦1844-1872)を指します.
3月の他の呼び方
建辰月 けんしんげつ 季春 きしゅん 早花咲月 さはなさきづき 早花月 さはなつき 花咲月 はなさきづき 花津月 はなつづき 花見月 はなみづき 春惜月 はるおしみづき 夬月 かいげつ 佳月 かげつ 嘉月 かげつ 花月 かげつ 華節 かせつ 花飛 かひ 花老 かろう 禊月 けつげつ 穀雨 こくう 姑洗 こせん 五陽 ごよう 載陽 さいよう 桜月 さくらづき 蚕月 さんげつ 修禊 しゅうけい 修病 しゅうへい 宿月 しゅくげつ 春抄 しゅんしょう 春章 しゅんしょう 称月 しょうげつ 清明 せいめい 竹秋 ちくしゅう 殿春 でんしゅん 桃月 とうげつ 桃浪 とうろう 桃緑 とうろく 祓月 はらえづき 晩春 ばんしゅん 病月 びょうげつ 杪春 びょうしゅん 暮春 ぼしゅん 暮陽 ぼよう 暮律 ぼりつ 末春 まつしゅん 末垂 まつすい 夢見月 ゆめみづき
(昔の人々の月の呼び方への愛着を感じて頂くだけで十分です)
昔の呼び方をそのまま現代の暦に置き換えると,実際の季節感より数週間早いので残念ですね.つまり,旧暦は1-2ヵ月遅れていると考えると良いでしょう.
和風月名一覧
1月 睦月(むつき):正月に親類一同が集まり睦び合う月
2月 如月(きさらぎ):衣更着(きさらぎ)の意味で,寒いので衣を重ね着する月
3月 弥生(やよい):木草弥生(いやお)い茂る月
4月 卯月(うづき):卯の花の月
5月 皐月(さつき):早月(さつき)の意味で,早苗(さなえ)を植える月
6月 水無月(みなづき,みなつき):水の月の意味で,田に水を引く月
7月 文月(ふみづき,ふづき):穂含月(ほふみづき)の意味で,稲の穂が実る月
8月 葉月(はづき,はつき):木々の葉が落ちる月
9月 長月:(ながつき,ながづき):夜の長い月
10月 神無月(かんなづき):神の月の意味で神に新穀をささげる,あるいは神が出雲大社に集まる月
11月 霜月(しもつき):霜の降る月
12月 師走(しわす):師匠も走るほど忙しい月
今日はこれまで.ではまた.