山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

図鑑の効用 想像力,創造力養成のツールとして

子供の頃,図鑑を見ながらイメージを膨らませて空想に耽っていたことはありませんか?漫画やアニメを見た後,自分がヒーローになりきっていたことがあるのでは?

その昔,映画を観て映画館から出てくる人達は,上映している映画の内容を反映していたと言われています.でも,最近はテレビ,動画,政治討論など強烈な情報が日常に氾濫しているので,人々はそれらに対してあまり影響されない様にそれらから厚めの鎧で自分を守っているように思えます.

子供たちも小さいころから氾濫する情報にさらされていますので,それなりに耐性ができてしまうように思えます.それでも,スケジュールに追われていて,昔の子供達の様に,友達と他愛なく一時間も二時間も遊んだり,空想に耽っていることは少なくなって来たように思えます.

幼稚園や学校で遊び方を大人が教えたり,スポーツに励むのは良いことではありますが,子供達から自由な遊びや想像力を養う時間や工夫する時間を奪ってしまうと,独自性や創造性は生まれにくくなる様に思えます.

一方で,ゲームなどは没入性が強く,散漫がちな子供たちに集中力を訓練するには良いかもしれませんが,ゲームを始めると強制的にインプットとアウトプットを求められますので,どんどん引き込まれていきます.

ゲームには制作者の意図が入りますので,容易に心理操作されてしまうようになるのでは?たとえ多数の参加者が加わるゲームだとしても,大衆の動きに素早く反応する練習にはなりますが,結局のところ心理操作されてしまうことは免れません.

図鑑の効用

私自身は数十年前からテレビを見る習慣を捨てました.なぜかと言うと,テレビは印象操作のプロたちの作品だからです.見ているときは感心,感動するのですが,間髪を入れずに内容が切り替わりますので,自分で想像したり,考えたりする時間が無いのです.テレビに浸っていると,自分の頭で考えられない自分になってしまいそうです.

テレビも新聞も見ない読まない生活をしても,孤島生活の様になるわけではありません.全く見ない読まないでも,十分以上の情報が入ってきます.友人らとの話に困ることはありません.ネットでもニュースやその背景は調べられます.原典を調べることもできます.

もちろんネットにも良い面と悪い面があります.その代わりかも知れませんが,図鑑には一目置いています.特に最近の図鑑の出来具合は素晴らしい.写真や図の選定は一流です.子供向けが多いのですが,よくできています.それらを眺めているだけでも想像力が湧いてきます.さらに,思い付いたことを調べたり,確認していくと,もっと調べたいことが増えてきます.

子供の頃,図鑑を眺めて想像力を膨らませていたのは意外と意味があったのだと,今頃になって気づきました.本を読むようになると,どうしても抽象的に考えることが主になります.でも,その時もイメージの世界で考えているのです.子供が公園で自由に遊べるように,抽象の園で自由に遊べるようになるのが考えるという事です.

少しマスメディアから離れて,自分の園で遊ぶ時間をとってはいかがでしょうか?最近,デジタルデトックスという言葉が使われるようになりました.多くの人が過剰のインプットとそれに即反応する習慣の害に気づき始めているのではないでしょうか?自分を見失い反応するだけでは機械にかないません.

今日はこれまで.ではまた.