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自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

10月は神無月 旧暦と和風月名について

暦

秋になって日々涼しくなってくると,今年の終わりも近づいてきます.残すところ数か月.ひと月ひと月を大切にしていきましょう.

約150年前の旧暦である太陰太陽暦(天保暦1844-1872)では10月を神無月,11月を霜月,12月を師走などと,数字だけでなく,その時々の呼び方に意味を持たせて呼んでいました.これを「和風月名」と言います.

生活が季節(自然)と密着していた時代では自然に愛着心を持ち,季節に合わせて生活を適合させて日々を過ごしていました.

昔の人々は和風月名の他にも季節や行事に合わせて月を呼ぶ習慣がありました.これを今では別名とか異名と呼んでいます.

以下,様々な呼び方を見ていきましょう.新暦と旧暦は数週間の差がありますので,季節感がずれています.

ちなみに新暦とは現在使用している太陽暦であるグレゴリオ暦(Calendarium Gregorianum, Gregorian calendar),旧暦とは太陰太陽暦(天保暦1844-1872)を指します.

10月

神無月(かみなづき,かんなづき):旧暦10月は新暦10月下旬から12月上旬頃 八百万の神々が出雲大社に行ってしまうので神が居なくなる,あるいは新穀を神に捧げる神嘗月からと言われています.

細かいことを言うと,「神が無い月」というのではなく,「無」=「な」=「の」の意味なので,「神の月」という意味です.「水無月」も同様に,「水の月」の意味になります.

10月の他の呼び方:

建亥月,孟冬,神去月,雷無月,鏡祭月,神在月神有月,御忌,小春,小春月,時雨月,鎮祭月,初霜月,小六月,応章,応鐘,開冬,亥冬,吉月,極陽,玄英,坤月,始冰,小陽春,上冬,初冬,新冬,正陰月,早冬,大月,大素,方冬,陽月,立冬,良月 (昔の人々の月の呼び方への愛着を感じて頂くだけで十分です)

昔の呼び方をそのまま現代の暦に置き換えると,実際の季節感より数週間早いので残念ですね.だいたいですが,その月の月末から昔の月が始まると見なしておけば良いでしょう.

和風月名一覧

1月 睦月(むつき):正月に親類一同が集まり睦び合う月

2月 如月(きさらぎ):衣更着(きさらぎ)の意味で,寒いので衣を重ね着する月

3月 弥生(やよい):木草弥生(いやお)い茂る月

4月 卯月(うづき):卯の花の月

5月 皐月(さつき):早月(さつき)の意味で,早苗(さなえ)を植える月

6月 水無月(みなづき,みなつき):水の月の意味で,田に水を引く月

7月 文月(ふみづき,ふづき):穂含月(ほふみづき)の意味で,稲の穂が実る月

8月 葉月(はづき,はつき):木々の葉が落ちる月

9月 長月:(ながつき,ながづき):夜の長い月

10月 神無月(かんなづき):神の月の意味で神に新穀をささげる,あるいは神が出雲大社に集まる月

11月 霜月(しもつき):霜の降る月

12月 師走(しわす):師匠も走るほど忙しい月

今日はこれまで.ではまた.