[caption id="attachment_1524" align="alignnone" width="240"] コンテナ苗のマルチキャビティコンテナ: 近畿中国森林管理局 ウェブサイトより[/caption]
人と自然の調和として緑化が全国的に広まり,都市部でも街や公園に街路樹や花壇が増えました.梅や桜の季節になればあちこちでお花見ができますし,暑い夏の日差しを遮って歩道に日陰をつくってくれます.
コンクリートの道路や建物だけでなく,道端の花壇や人家の生垣は目の保養になります.
これらの緑化に無くてはならないのが苗木です.樹木は種を蒔いてもなかなか木に成長しないし,たとえ成長しても不揃いが目立つことになります.苗木を使用することで,街路樹や生垣を整えることができます.今日は苗木のお話です.
苗木の育成
苗木には主に4種類の育成方法があります.
種から育てたもの:実生苗といいます.
挿し木で育てたもの:挿し木苗といいます.
台木に接ぎ木で育てたもの:接木苗といいます.
自生している幼稚木を育てたもの:山引苗といいます.
昨日の挿し木,接ぎ木のお話で,それぞれの特徴はお分かりと思いますので,省きます.育成時間,効率と経済性,品種の安定性などかキーポイントです.
日本の苗木の生産量(全国合計,単位:千本)
苗木の生産量が緑化の尺度になります.
緑化用の苗木の生産量(単位:千本)
H21年 100,424 H20年 113,953 H19年 129,922 H18年 134,153 H17年 145,298
地域別でみると(H21年)
- 東海 32,263
- 関東 24,118
- 近畿 19,569
- 九州 16,037
の順です.地域の広さや人口費,予算なの関係を分析すると深くなるので,ここまでにしておきます.県別統計や樹木種別などの統計もありますので,興味ある方は研究してみると面白いと思います.
最新データはH21年で,やや古いですが,緑化用の苗木生産量は約1億本です.これは日本人一人につき1本に相当する数ですね.これとは別に林業用としては別に7,000万本ほど生産されています.
参考:政府統計の総合窓口 緑化樹木の生産状況調査報告書より https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001023215
苗木の植え方による種類
苗木の植え方には主に3種類あります.
裸苗:土を取り除き根がむき出しになっている苗です.
ポット苗:ビニルポットなどの簡易容器の中で育てた苗です.
コンテナ苗:マルチキャビティコンテナという連結されたトレーで生産された苗です(冒頭写真).国有林を中心に普及してきています.
今日はこれまで.ではまた.