山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

小学唱歌集

https://www.youtube.com/watch?v=-hZzvaVpHQo 【蝶々】明治生まれのなじみ の唱歌60曲

1879年(明治12年),文部省音楽取調掛が創設され,学校教育用として「小学唱歌集」が編集されました.

https://www.youtube.com/watch?v=5_CW7kQiTN4 文部省唱歌_富士山

初編,第二編,第三編が1884年(明治17年)までに順次出版されました.これが,日本で最初の五線譜による音楽教科書となりました.

政府は唱歌の編纂にあたって外国人を登用し,積極的に西欧の音楽を輸入しました.

https://www.youtube.com/watch?v=uSBzZyIxdak 蛍の光

唱歌について,文学者達の中には,愚かで低級と考えていた人達が少なくなく,鈴木三重吉の赤い鳥運動は唱歌と対比をなすものでした.

確かに国家が編纂し,教育的な意味が多分に含まれている唱歌は文学性が低いとみなす見方もありますが,100年以上も時が経ちますと当時の風潮や思想,文化を知る上で貴重な財産となっています.

https://www.youtube.com/watch?v=7g6-gqS2o-M むすんでひらいて 文部省唱歌/ルソー

旋律やリズムなどの音に意味を持たせた歌詞を加えた唱歌は文字だけの道徳教育や文化教育よりもこどもたちに対して影響力を発揮します.

現代にいたってもその影響は残っていて,唱歌を聴くと郷愁を感じます.良し悪しは別として,これも歴史の中で育った文化と言えるでしょう.

・2008年6月2日~6月27日 明治期の唱歌を彩った西洋曲 -唱歌も軍歌も讃美歌も- 国立音楽大学附属図書館HPより https://www.lib.kunitachi.ac.jp/tenji/2008/tenji0806.pdf

小学唱歌

小学唱歌Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E5%94%B1%E6%AD%8C%E9%9B%86

小学唱歌集. 初編 国立国会図書館デジタルライブラリー http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/992051

初編

1 かをれ 2 春山(はるやま) 3 あがれ 4 いはへ 5 千代に(ちよに) 6 わかの浦(わかのうら) 7 春は花見(はるははなみ) 8 鴬(うぐひす) 9 野邊に(のべに) 10 春風(はるかぜ) 11 桜紅葉(さくらもみぢ) 12 花さく春(はなさくはる) 13 見わたせば(みわたせば)(<=むすんでひらいて) 14 松の木蔭(まつのこかげ) 15 春のやよひ(はるのやよひ) 16 わが日の本(わがひのもと) 17 蝶々(てふてふ)(<=ちょうちょう) 18 うつくしき 19 閨の板戸(ねやのいたど) 20 蛍(ほたる)(=蛍の光) 21 若紫(わかむらさき) 22 ねむれよ子(ねむれよこ) 23 君が代 24 思ひいづれば(おもひいづれば) 25 薫りにしらるる(かをりにしらるる) 26 隅田川 27 富士山(ふじのやま) 28 おぼろ 29 雨露(あめつゆ) 30 玉の宮居(たまのみやゐ) 31 大和撫子(やまとなでしこ) 32 五常の歌(ごじょうのうた) 33 五倫の歌(ごりんのうた)

https://www.youtube.com/watch?v=qyzhtvlUcPU 文部省唱歌 第二十三『君が代』 当初の君が代です.

第二編

34 鳥の聲(とりのこゑ) 35 霞か雲か(かすみかくもか) 36 年たつ今朝(としたつけさ) 37 かすめる空 38 燕(つばめ) 39 鏡なす 40 岩もる水(いはもるみづ) 41 岸の櫻(きしのさくら) 42 遊猟 43 み谷の奥 44 皇御國(すめらみくに) 45 榮行く御代(さかゆくみよ) 46 五日の風(いつかのかぜ) 47 天津日嗣(あまつひつぎ) 48 太平の曲 49 御寺の鐘の音(みてらのかねのね)

https://www.youtube.com/watch?v=f6azdjQZO6o&list=PLbe8ytjyB_ERphOXAHv_1NneZm2E7rBVN 霞か雲か

第三編

50 やよ御民(やよみたみ) 51 春の夜 52 なみ風 53 あふけば尊し(<=仰げば尊し) 54 雲 55 寧楽の都(ならのみやこ) 56 才女 57 母のおもひ 58 めぐれる車 59 墳墓(ふんぼ) 60 秋の夕暮(あきのゆふぐれ) 61 古戦場(こせんぢやう) 62 秋艸(あきくさ) 63 富士筑波(ふじつくば) 64 園生の梅(そのふのうめ) 65 橘(たちばな) 66 四季の月(しきのつき) 67 白蓮白菊(はくれんはくきく) 68 学び(まなび) 69 小枝(さえだ) 70 船子(ふなこ) 71 鷹狩(たかがり) 72 小船(をぶね) 73 誠は人の道(まことはひとのみち) 74 千里の道(ちさとのみち) 75 春の野 76 瑞穂(みづほ) 77 楽しわれ(たのしわれ) 78 菊(きく)(<=庭の千草) 79 忠臣(ちうしん) 80 千草の花(ちぐさのはな) 81 きのふ今日(きのふけふ) 82 頭の雪(かしらのゆき) 83 さけ花よ 84 高嶺(たかね) 85 四の時(よつのとき) 86 花月(くわげつ) 87 治る御代(をさまるみよ) 88 祝へ吾君を(いはへわがきみを) 89 花鳥(はなとり) 90 心は玉(こころはたま) 91 招魂祭(せうこんさい)

https://www.youtube.com/watch?v=s0GPbBBvjXw 庭の千草(アイルランド民謡・唱歌)

https://www.youtube.com/watch?v=5zJ32QZAsSA 【合唱曲】仰げば尊し / 歌詞付き

曲名が今と違う場合があります.例えば「庭の千草」と知られている曲は当初,78番の「菊」となっています.原曲は「The Last Rose of Summer:夏に残る最後のバラ」で曲名が微妙?に工夫されていますが,意味がかなり変わっています.

今日はこれまで.ではまた.