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ロードバイクの後ろギアのワイヤーテンション調整方法 クリック調整感覚

[caption id="attachment_371" align="alignnone" width="293"]後ろギアのワイヤーテンション調整方法 後ろギアのワイヤーテンション調整方法[/caption]

ロードバイクに乗り始めてから5年目が経ちました.購入した当初はメンテナンスに興味は無く,友人とサイクリングに行くためだけにとりあえずビギナーズ用の10万円程度のものを買ってみました.使ってみると予想以上にパンクをしたり調整が悪くなったりするので,だんだんと修理の経験値が増えてきました.

幸い私はエンジニア畑出身なので仕組みを理解するのは得意な方で今ではメカニズムのほとんどが理解できました.マニュアルを読む前に観察し,試してみて自分の感覚をある程度つけた上で仕組みを大局的に理解します.その後でマニュアルや解説書を読むと意味が分かりやすくなります.

結局,乗り始めて1年後には自転車を部屋に持ち込んでピカピカに磨きあげ,裏返したりスタンドに立てたりいろいろと実験していました.今ではサイクリングから帰るとすぐにタイヤを外し,風呂場で汚れを落とし,部屋に持ち込んで磨きます.そうすると愛着がわいてきて理解度が深まります.暇で何もすることが無いと自転車いじりが直ぐにできるようになっています.

後ろギアのワイヤーテンション調整方法

今回は基本中の基本である後ろギアのワイヤーテンション調整方法について説明します.さて,自転車のメカニズムは比較的簡単そうですが,やはり時間をかけて磨かれて来ただけあり,深い所まで考慮されています.実際に走ってみて不具合を知り,メカニズムの意味を知ることが大切です.

先日大島へ行き,急坂を上る時,後ろのギアが不安定でカリカリとギアずれが起きました.ある程度の坂道では起きませんが急坂になると負荷が大きくなり状況が変わります.後ろギアのワイヤーのテンション(張り)調整の問題というのはわかっていたのですが,サイクリング中しかも急坂登坂中に微調整するのは困難でした.いつものひっくり返してギア調整はできず,どのくらいネジを回して良いのか,右回りなのか,左回りなのか試しては走り,試しては走りしているうちに坂は終わってしまいました.部屋で行う調整方法は実践的では無い良い例です.

そこで家に帰ってから検討改善し,実践で使える様に練習したのが以下の方法です.まずは調整ネジを回す回転量と方向とを明確にする練習から始めます.ここでは実践優先ですので,何段目で右回しとか左回しなどとは覚えません.忘れてしまうからです.ただ,回転量は正確にできるように練習します.

調整ネジを回す回転量と方向とを明確にする練習,そして実践する

1.まずは練習のため自転車を上下さかさまに置くか,スタンドで後ろタイヤを浮かせます.そしてゆっくりとペダルを回します.ハンドル右側のギアチェンジレバーでローからハイまですべてにチェーンが切り替わるかどうか確認し,二番目に大きいギアにします.なぜかというと急坂ではハイギアを使い負荷がかかるのと,一番大きい歯車では調整ができないため二番目のギアにします.

2.調整ネジを回しますが,まず調整ネジの形状はいろいろあるかも知れませんが,私のものは写真のように1回転で4つの凹凸があります.つまり,1/4回転が正確に回せるようになっています.私はこの1/4回転を「1クリック」と数えるようにしました.そして,回転量を1クリック,2クリックと数えながら回していく練習をしました.

3.調整ネジを1クリック,2クリックと一方向に回していきます.すると,ギアが不安定になり次のギアに移りそうになります.そこが始点です.この始点から反対周りに1クリック,2クリックと回していくとギアが安定してきます.さらに同じ方向に回し続けると再びギアが不安定になってきます.ここと終点とします.当然のことですが,ベスト調整位置は真ん中の中点付近になります.私の自転車の場合始点から終点まで14クリックあります.ですから始点からあるいは終点から7クリックが中点です.そしてこの中点からどちら側に回しても7クリック目でギアが不安定になります.

不安定になるという感覚はあいまいなので,何度も始点,終点を試して不安定具合をつかんでください.また,ローギア側(二番目に小さい歯車)でも試してみてください.さらに,フロントギアを変えた場合どうなるか試してみてください.私の自転車では多少変わりますが,12-14クリックで収まります.

4.家で調整するのは中点で良いのですが,ワイヤーのテンション調整は当日の温度(気温変化),シフトレバーの遊びやギアへの負荷量(坂)によって変わります.負荷がかかると機械的には小さいギア側に外れやすくなりますので,中点から大きいギア側へ1-4クリックぐらい(私の場合)ずらした方が良いです.

というように自分の自転車のギアをクリック単位で把握しておけば状況に応じて調整できるようになります.どちらのに調整ネジを回せば良いか分からなくなったら,10クリック回せば次のギアに移りますのでよくわかります.基本的な知識ですが,ノーテンション(全く引っ張らない状態)の時ギアはローになります.そして右でも左でも,シフトレバーの大きい方は引っ張ってテンションを上げる方向,小さいレバーは緩めてテンションを下げる方向になります.引っ張る方が力が必要なので,大きいレバーがついていると覚えてください.

マニュアルには大きい歯車側に寄せて調整すると書いてあったりしますが,私の目ではギアの寄り具合はタイヤが邪魔で見えません.斜めからは寄り具合は見えません.ですから,クリック数で調整します.

5.最後に走行中の調整ですが,1-4まででクリックを注意しながら調整する練習をしてきましたのでその感覚は身についていると思います.実は調整ネジはシフトレバー側にもあります.従って走行中にも調整可能です.ただし,私の自転車の場合,凹凸が1/4ではないので,クリックが明確にできません.でも1/4づつ回すという意識を持って調整すれば,始点,中点,終点の感覚はあると思いますので,どちら側にどのくらい回したらよいか見当はつくようになっていると思います.

以上です.今日はこれまで.ではまた.