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外国為替レート観測と考察 今週のドル円の動き

2017-10-16(月)から2017-10-20(金)のドル円の動きは上の日足チャート全体の中の右端にあるオレンジ色枠内のローソク足5本分です.

チャートの全体像

現在は2017-10-20深夜でまだ市場は開いているので,今後数時間は動きます. さて,日足チャート全体をみると,2017年2月から現在まで見えますが,上下に波打っているのがわかります.

3回つの山①③⑤と3つの谷②④⑥があります.そして現在は谷底⑥から徐々に登ってきました(ドル高円安).

そして,オレンジ色枠の今週に至ります.この時点では⑦を頂点として,そのまま下に向かうのか,それとももう一段高い山をつくり,⑦を更新していくのか,半々に近い状況でした.

なぜなら,前週と前々週がもみ合い気味で,どちら付かずの動きが2週間以上続いていたからです.この様な状態を横ばい,またはレンジ内の動きと言います.

今週(オレンジ色枠内)の動き

月曜日に最低値111.63となりました.この値は足15本前の最低値111.48よりわずかですが少し上です.ここから週末の現在地113.5付近まで2円近く上昇しました.

ドル円日足は一日一本づづ,足をつくりながら動いていきます.

下は拡大図ですが,この部分だけを見ても様々な情報が入っています.そして,動きの特徴を分析することで,市場の受け止め方がどのように変化してきているかが想像ができます.

これらのチャートの上の特徴が与える心理的影響と経済に関わるイベント(災害なども含む)両方を考慮して現在の状況を把握します.私の場合はイベントより,チャート分析の方にウエイトを置いています.イベントに予想をたてるのは様々の思惑が入るので数値化できず,結果としてのチャートの動きを見た方が直接的なためです.

分析の一例

本来は週足,日足,時間足なども考慮に入れて分析するのですが,今週とその直前だけみても,以下のことが想定できます.

  1. 3週間近く横ばいの動きが続いていました.

  2. 9/10の谷底から登ってくる動きでしたが,頂点をつけ下がる様相でしたが,なかなか下がらず横ばいが3週間続きました.

  3. これは,7/11の山の水準114.5まで届いていないので,明確な折り返し点かどうかはっきりしなかったためと,下げを助長する強い経済環境の変化が無かったため,横ばいになったと考えられます.

  4. 横ばい中のレンジの上限値(上の黄色線と上ひげ)から徐々に下がる傾向でした.

  5. 途中112.00と113.00の水準が意識されて動いていました.これらの112.00,113.00などをキリ番と呼びます.取引関係者の心理的目標値や心理的抵抗値となります.

  6. 先週末の10/13に112のキリ番を下に突破しました.①の足が横ばいの上半分から抜け出したシグナルになっています.

  7. 次の心理的抵抗値が111.48(下の黄色線)ですが,これを下に抜けると大きく下を目指すキッカケになります.

  8. 16日月曜の足は,111.63付近で押し返し,元の横ばいレンジに戻ります.

  9. 翌17日火曜日の足は上下に振れて始値に戻ります.これを同時線と呼びます.上下どちらに進もうか迷っています.

  10. 翌18日水曜日は迷いが晴れて大きく上昇しました.113がレンジ上限として意識されてこの付近で停止します.

  11. 翌19日木曜日は前日レンジ上限の113を明確に抜ききれなかった為,過去3週間の横ばいレンジが再度意識され,レンジ下限を試しに下がっていきます.

  12. ところが途中の112.3で明確に反発上昇し始めたので,今日20日金曜日は上昇しレンジ上限を抜きました.

  13. これを書いている01:18現在もレンジを明確に上抜けしています.ただし,金曜日は週末なので,大きく上下に動いて終わることがあります.また,月曜日にギャップをつけて始まったりします.

  14. もし,この状況のままで今週のレートが確定すれば,更に上を試す公算が出てきます.もし,レンジ内に戻ったら,再びレンジを意識した動きになる可能性もあります.

以上は日足の狭い範囲だけからの大雑把な分析です.ヒゲの長さや方向,各足の長さや折り返し点,または,4時間足,1時間足,15分足,5分足などを見ていけばもっと詳しい分析が可能です.

ここでは,当面日足を主に見ていきます.

注: 1. レート値は業者によって多少違いがあります. 2. 横ばいやレンジの表現は数学の様に定義がありません.人の眼でみて横ばい,レンジ,トレンド,バンドなどと見かけで判断します.人により,表現が異なる場合もあります.

今日はこれまで.ではまた.