山河海空

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アジサイの色

漢字では「紫陽花」と書きます.唐の詩人,白居易が別の花につけた名前ですが,「紫陽花」がアジサイの花に平安時代の学者,源順がこの漢字をあてがいました.

平安時代も青や紫のものが多かったのでしょうかね?

アジサイの花(装飾花)の色は土壌のpH(酸性度)によって花の色が変わります.

アルカリ性ならば赤色.

酸性ならば青色.

(リトマス試験紙と逆です)

アジサイの花(装飾花)の色はアントシアニンという色素の一種,「デルフィニジン」と補助色素(助色素:自体は無色で色素の発色を助ける有機分子)とアルミニウムイオンによりつくられます.

土壌が中性またはアルカリ性だと土中のアルミニウムは溶け難く,アジサイの花まで届かず,色は赤となります.

土壌の酸性度が増すにつれてアルミニウム量が増えて,花へ届くアルミニウム量が増えて色が青色となります.

色については以下の研究成果があります.

0-10 μg Al/g : 赤色

10-40 μg Al/g :紫色

40 μg Al/g 以上:青色

萼1g当たりのアルミニウム量で赤色から青色に色が変わります.

色素である,デルフィニジンにはpH依存性があり,アルカリ性の溶液では青色,酸性の溶液では赤色に色が変わります.

でも,これがアジサイの色を決めているわけではありません.

なぜなら,アジサイの細胞は赤,青共に酸性の為で,酸性度からは赤色にしかならないはずなのです.

アジサイの花の赤,青を決める要因は酸性度では無く,アルミニウムイオン量ということが判明しました.

参考

デルフィニジン Delphinidin

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%82%B8%E3%83%B3

Role of aluminum in red-to-blue color changes in Hydrangea macrophylla sepals.

Red, purple, and blue sepals on selected cultivars of Hydrangea macrophylla were analyzed for their aluminum content. This content was determined to be a function of the sepal color with red sepals possessing 0-10 μg Al/g fresh sepal, purple sepals having 10-40 μg Al/g fresh sepal, and blue sepals containing greater than 40 μg Al/g fresh sepal. Accordingly, the threshold aluminum content needed to change H. macrophylla sepals from red to blue was about 40 μg Al/g fresh sepal.

(sepal:萼)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21584711

今日はこれまで.


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