山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

散歩で使う虫よけ剤について

蚊

前回に続き,散歩,ウォーキングで使う虫よけ剤は,どれを選んだら良いのでしょうか?また,どのタイプをどのように利用したら良いのでしょうか?本当に安全なのでしょうか?

虫よけ剤には定番があります.ディート(DEET:N,N-diethyl-meta-toluamide)という成分が入っている虫よけ剤が王道です.これは1946年に開発され強力かつ効果も長時間継続し,安価なため今も盛んに使われています.

ただし,これには欠点もあります.人により発赤や湿疹,腫れなどを起こす場合があります.国内で年間20-40件程度の報告があります.動物実験では毒性も疑われましたが,ディート対策協議会で平成20年に,「ラットにおける4 週間経皮投与及び4 週間持続皮下投与神経毒性試験」を行いましたが高濃度試験でも問題は見つけられないとの結果報告が出ています.

国内では今まで12%までのディート使用が許されていました.現在では30%までが製造承認を得て販売されています.海外ではもっと高濃度のものも販売されています.濃度が高ければ高いほど良いかというとそうでもなく,持続時間が長くなるということです.

目安としてディート濃度5%だと約90分程度効果があります.ですから1-2時間でもう一度塗った方が方が良いでしょう.汗などかいてタオルで拭けばタオルの方に薬剤が移ってしまいます.どのくらい残っているかは袖などの匂いを嗅いでみればわかると思います.

虫よけ剤の選び方

薬屋さんでディート入りの虫よけ剤を買うときは濃度を確認しましょう.海外に持っていく場合は場所に寄り高濃度の方が良い場合がありますが,散歩やウォーキングで使う程度なら12%以下で十分です.竹藪に入ったり,キャンプしたり蛍鑑賞で長居する場合は高濃度の方が良いかも知れません.

スプレー,ウェットシート,ロールタイプがありますが,お勧めはウエットシートタイプです.かさばらないので持ち運びに便利です.ふき取った後のシートもお守り代わりに服に縛り付けておきます.お守りよりも虫よけ効果はあります.

塗る時は足回り,腕,首,耳周辺を重点的に塗ります.なるべく肌には塗らず(一部だけスポット的に塗る),靴,靴下,ズボン,シャツ,帽子,あるいは耳の上の頭髪などに塗ります.帰宅したら念のためシャワーで皮膚に着いた分を流します.

衣服に付ける場合は衣服が変色などする場合もあります.影響が無いことを確認してからお使いください.

安全性について

虫よけ剤使用には,蚊に刺されて伝染病になる危険よりはるかに安全と言われていますので,それほど神経質にならなくても良いと思いますが,万一,発赤や湿疹,腫れなどが出たり,気分が悪くなったら使用はやめて洗い流してください.

他にも虫よけ剤はあります.同じ位強力な成分にイカリジンというのがあります.新薬で一応問題はなさそうですが,まだ経験量が少ないのでこちらが良いとは言い切れないものがあります.5%までだったものが15%まで許可されました.個人差がありますので,実際に使ってみて自分に合う物を見つけるしかないと思います.匂いの好き嫌いもありますので.

乳幼児や子供は大人より敏感な場合があります.なるべく使用はひかえた方が良いでしょう.効果が薄くても天然成分の虫よけ剤が良いかもしれません.

次回はかゆみ止めについてお話しします.

今日はこれまで.ではまた.