夕涼みがてらの散歩やウオーキングは気持ちがいいですね.でも,蚊に刺されて困ります.今日は散歩やウォーキング中に蚊対策について考えて見ましょう.
蚊に刺されないようにするには先ず蚊について知識を集めてみましょう.
蚊の特性
蚊の飛行速度1.5-2.5㎞/時です.
蚊の羽音は300Hz–600Hzです.
メスは卵に必要なタンパク質を得るために吸血します.
気温が15度以上になると吸血を始めます.26度から31度程度が吸血活動の最適温度です.35度を越えると活動しなくなります.
蚊の唾液が人体にアレルギー反応を引き起こし,血管拡張させ痒みを起こします.アレルギー反応のなので中和はできず,抗ヒスタミン薬軟膏の塗布により抑えることになります.
幼虫のボウフラは流れのない沼や池などに生息します.水たまりや水の入った容器の中など、わずかな水場でも生息するものもあります.
刺されやすい血液型,刺されにくい血液型があるという説は科学的に否定的な見方が強いと言われています.
蚊は二酸化炭素の密度が高いところ,温度が高いところへ向かう習性があります.体温,におい,二酸化炭素の密度などで刺す対象を探しています.
蚊は湿度に反応します.
汗をかいていると刺されやすいです.また汗中のL乳酸が誘引物質として認められています(注1,2).他にも誘引物質があると考えられています.
足のにおいを好み,足の方に集中します.
黒い服を着ていると刺されやすくなります.逆に白色の服は刺されにくいと言われています.
男性の方が発汗による水分蒸散の量が多く刺されやすいです.
以上の事実は今までの経験を思い出しながら,一つ一つよく吟味していくと興味深いものがあります.
対策
さて,ここでは散歩,ウォーキング注の対策のみについて見ていきます.
上記1-13の内容を考えながら思いつく方法と実際に私が行っている方法は以下のとおりです.
虫が多そうな場所は立ち止まらずに素早く通過しましょう. 蚊の飛行速度より早く歩けば刺されにくくなります.と言ってもせっかくの散歩ですから静かな所をのんびり歩きたいものです.飛行速度が2.5㎞という事は立ち止まりさえせずそれなりに移動していれば刺される確率は減るという事です.
足元は長ズボンを履き,虫よけ剤をよく塗っておく. 草むらに近い所などは地面から50cm位までのところを飛んでいる虫の密度が多い様に思えます.刺される確率が高いのは,短パンで歩いているときは膝下が一番多いです.足元を守りましょう.
上半身はできれば長袖,半袖なら虫よけ剤を塗っておきましょう. 上半身で刺される確率が高いのは腕から手にかけてと首回りです.
首回りは白っぽいタオルを巻くか,虫よけ剤を塗っておきましょう.
刺された時のためにかゆみ止めを持参しましょう.
虫の多そうな所は立ち止まらず,早めに通り抜けましょう.そして,足元,腕まわり,首回りなどなるべく素肌を出さずやむをえない場合は虫よけ剤を使いましょう.そして刺された時のかゆみ止めも持ち歩きましょう.
以前,虫よけグッズとして羽音の10倍の倍音を持つ3–6kHzの超音波音を発するものがありました.このグッズは公正取引委員会により、公的機関での実験の結果効果が認められないとされ景品表示法違反による排除命令が出されました.スマホのアプリでもありますが,気休め程度には使えます.今ではバッテリーの消耗が早いのでアプリは使用していません.
次回は虫よけ剤について私見を述べてみます.
注1:L乳酸は自然界に多いL体の乳酸のこと.D体では1/5の誘引性しかないとの結果があります.
注2:「光学異性体」,「鏡像異性体」,「対掌体」,「エナンチオマー」のDL,RS,(+)(-)表記右左は以下の通りです. 右 dextro,左 levo 「ギリシャ語」 右 Rectus,左 Sinister 「ラテン語」 右旋性(+),左旋性(-) 「IUPAC命名法」
今日はこれまで.ではまた.