花菖蒲が咲いている頃,その脇では鮮やかな黄色い花が満開です.キンシバイ(金糸梅)という花です.漢字の方がイメージがハッキリします.金糸とは文字通り金の糸,雄蕊が金の糸に見えます.また,花びらは梅の形をしています.今日はキンシバイ,タイリンキンシバイについてみていきます.
写真は水元公園の菖蒲田の脇に咲いていたものです.葉のつき方が十字対生(節から葉が2つづつでて,次の節では90度ずれて葉が付いている)で花も上向きに咲いているので,タイリンキンシバイと考えます.
5月の末ころから,キンシバイ,タイリンキンシバイを見かけました.すでに枯れた花もありますが,蕾もありますのでしばらく咲き続けると思います.
ハナショウブの紫,青,白を見続けていると黄と赤が鮮やかに目に入ってきます.緑色の葉の色にマッチした鮮やかな黄色は印象的です.
金糸にたとえられる雄蕊は肉眼では数え切れないほど数が密集しています.花は梅の花を大きくした形をしています.「金糸梅」覚えやすいですね.なんとなく「カミシバイ」に似ています.
キンシバイのデータ
目:ツバキ目 Theales 科:オトギリソウ科 Clusiaceae 属:オトギリソウ属 Hypericum 種:キンシバイ H. patulum 学名:キンシバイ Hypericum patulum Thunb.
葉の付き方:二列対生 花の咲く向き:下向き
葉は対生で長い楕円形。暖かい地方では落葉しないことが多いです.枝先に濃い黄色で、五弁の花を咲かせます.
タイリンキンシバイのデータ
目:ツバキ目 Theales 科:オトギリソウ科 Clusiaceae 属:オトギリソウ属 Hypericum 種:キンシバイ H. patulum 学名: Hypericum patulum cv. Hidcote 葉の付き方:十字対生(上部茎),二列対生(下部茎) 花の咲く向き:上向き
タイリンキンシバイはキンシバイの園芸品種です.花弁が大きく花の黄色味が強く葉も大きいです.
他の似た花:ビヨウヤナギとセイヨウキンシバイ
ビヨウヤナギ,セイヨウキンシバイという同じオトギリソウ属の低木があります.キンシバイと隣り合わせて植えられることもあります.
色は同じで,一見同じものと間違えやすいのですが,ビヨウヤナギはとセイヨウキンシバイはキンシバイより長い雄蕊が花から出ています.
雄蕊が弧を描くように飛び出しているのがビヨウヤナギ,真っすぐにブラシの様に延びいているのがセイヨウキンシバイです.同属なので皆よく似ていますね.
今日はこれまで.ではまた.