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第22週の花 ドクダミ,名まえは毒々しいですが昔から使われてきたハーブです

[caption id="attachment_695" align="alignnone" width="300"]ドクダミ 白いのは総苞,花は白の中央の黄色い部分[/caption]

ドクダミの別名は毒溜めとか毒痛み,地獄蕎麦などと近づきがたい名まえが付いています.でも,花が小さく可憐です.確かに葉っぱの形は鋭いハート型で密集して生えて独特な匂いがありますから,こんなイメージの名前なのでしょうか?でも,食用にもなるし,生薬として利用されています.今が花盛りです.

一年52週間のうち今週は22週目です.お正月まであと30週間です.ところで,あちこちでドクダミが咲いています.先週,今週は全盛状態です.この植物はありふれたところにありながら,昔から利用されてきました.ただ,匂いに特徴があるので嫌いな人も多いかも知れません.草刈りをしていてもドクダミの匂いはすぐ分かります.今日はドクダミについて見ていきましょう.

ドクダミの花

まず初めに注意すべきところが花についてです.白い花に見えるのは実は花ではなく,4枚の白色の総苞というものなのです.総苞とは花序全体の基部を包む苞のことです.そして苞とは何かというと,花や花序の基部にあって、つぼみを包んでいた葉のことです.花序というのは枝上における花の配列状態のことです.いろいろ面倒ですね.本当の花は中央棒状の部分に密集して淡黄色の小花が咲いています.雌蕊と雄蕊だけで花弁(花びら)はありません.

それぞれの器官の機能から名まえが付くので白いのは花ではなく,総苞,そして花には花びらが無く,雄蕊と雌蕊だけの密集した薄黄色の部分が花にあたります.

ドクダミは繁殖力が強いので育てるのは難しくありません.ちぎれた根からでも繁殖するのは草刈りをしてもまた生えてくるのでご存知のことと思います.

食用方法

さて,食べ方ですが,ドクダミと言えばまず,「ドクダミ茶」が浮かんできます.これは乾燥させたものをお茶として飲みます.市販されていますので,入手は簡単です.でも近くにドクダミがあるのなら自作に挑戦してみましょう.

生薬

開花期のドクダミの地上部を乾燥させると十薬という生薬になります.利尿作用、高血圧、動脈硬化の予防作用などがあります.湿疹、かぶれなどには、生葉をすり潰したものを貼り付けます.漢方では解毒剤として用いられます.

副作用

ただし,カリウムを多く含んでいますので,肝機能障害の人には高カリウム血症を引き起こします.生命に関わるのでご注意ください.また,飲み過ぎるとお腹がゆるくなることがありますのでご注意ください.

ドクダミのデータ

属: ドクダミ属 Houttuynia 種: ドクダミ H.cordata (心臓形の) 学名: Houttuynia cordata

北海道の南部から本州、四国までの陰地、湿地に自生する 多年草草本(そうほん) 東アジアに広く分布 日本の民間薬の代表

ドクダミには特有の臭気があるために、なにかの毒が入っているのではと、ドクダメ(毒溜め)と呼ばれるようになり、これからドクダミになったといわれています。生命力が強くどこにでも生えるから目の敵にされて刈られたり,匂いだって慣れるとそんなに悪くないのに嫌われて,なんか損している植物ですね.

今日はこれまで.ではまた.