我孫子の白樺派からちょっと気になっていたのが白樺の木.白樺と言えば,イメージするのは高原,雪,トロイカ,鈴の音ですね.ロシア民謡「トロイカ」そのものです.白樺派の人たちもトルストイに心酔していたようですからイメージが重なります.
ところがこの曲に今の和訳をつけて歌い始めたのが昭和27年(1952年)となっています.実際に歌詞をつけた劇団カチューシャ団員の森おくじ氏(1925年-2008年)の証言によると,本来の曲が「淋しすぎるため,早くリズミカルに演奏し,ソヴィエトの若者の明るい喜びを表現した」とあります.確かにYouTubeで原曲を聴くとゆっくりで寂しげな雰囲気の曲です.イメージがかなり違います.
トロイカについて
雪の白樺並木 夕日が映える 走れトロイカほがらかに 鈴の音高く 走れトロイカほがらかに 鈴の音高く 響け若人の歌 高鳴れバイヤン 走れトロイカ軽やかに 粉雪蹴って 走れトロイカ軽やかに 粉雪蹴って 黒い瞳が待つよ あの森越せば走れトロイカ今宵は楽しい宴. ロシア民謡
という楽しそうな歌ですが実際の原詞の意味は,
走るトロイカひとつ 雪のヴォルガに沿い はやる馬の手綱取る 馭者の歌悲し はやる馬の手綱取る 馭者の歌悲し 何を嘆く若者 たずねる年寄り 何故にお前は悲しむ 悩みはいずこ 何故にお前は悲しむ 悩みはいずこ 去年のことだよおやじ 好きになったのは そこへ地主の奴めが 横槍を入れた そこへ地主の奴めが 横槍を入れた クリスマスも近いに あの娘は嫁に行く 金につられて行くなら ろくな目にあえぬ 金につられて行くなら ろくな目にあえぬ 鞭持つ手で涙を 馭者はおし隠し これでは世も末だと 悲しくつぶやく これでは世も末だと 悲しくつぶやく (東大音感合唱による訳詞.北川剛 編「ロシヤ民謡アルバム」(音楽之友社)などに所収.飯塚書店より発行された「ロシア民謡集」では楽団カチューシャによる詞と合わせて掲載されている.)
白樺について
本題の白樺ですが,シラカンバ,学名:Betula platyphylla.カバノキ科カバノキ属の落葉樹,樹皮が白い.別名シラカバ.日本産変種である Betula platyphylla var. japonica は,福井県を西端,静岡県を南端として北海道までの落葉広葉樹林帯と亜高山帯下部に分布する.日本の高原を代表する木の1つである.主に長野県や北海道に多い.
明るい場所を好み,生長が速い.ブナなどの暗い場所を好む樹木にとって代わられて,通常は一代限りで消えていく.高さは20〜30mになる.幹は30cm〜1m程でまっすぐに伸びる.
植物学ではシラカンバの方が一般で別名がシラカバだそうです.ちなみに白樺派は「しらかばは」と読みますが,トロイカの歌もシラカバ並木と歌っています.
ところで,白樺の木は白樺派のイメージとどのように重なるのでしょうか.活躍した手賀沼湖畔の別荘地のイメージと重なってるのでしょうか?樺の漢字のつくりは華です.白樺派が活躍した我孫子市 手賀沼周辺には白樺並木は無かった様に思います.今では桜などが植えられていましたが,当時はどうだったのでしょうか?ひょっとすると庭に植えていたかも知れませんね.
機会を見つけて我孫子市にある白樺文学館に行ってみようと思います.今日はこれまで.ではまた.