今,私が読んでいる本で,良いものを紹介します. 最近読んで面白かった本です.
「もてない男」では無く,物を極力「もたない男」です.1955年生まれの漫画家で,いつも何か捨てるものはないか,探し回っているそうです.
事務所として借りている部屋はほとんど空っぽ.自宅にあるものも使わないものは捨てて捨てて捨てまくって,使わないものが身の回りにあると気味が悪く,捨てる時の満足感と必要なものだけに囲まれた充足感で生活しています.
「シンプルライフ」,「ミニマリスト」という概念を極限まで突き詰めるとこうなるのかと感心しました.
自分の過去を振り返れば,似たような発想で物とつきあってきました.物の価値に気づくようになり,ありがたみがわかると捨てられなくなり,集めるようになります.
でも,物に囲まれた生活をしても何かが足りない気持ちになり,物を集めても集めても,満足感が薄くなり,次第に自分が物の支配されるような気持ちになります.
外出する時は持ち物が増えすぎて,使わないのに余計なものばかりが鞄に詰まっっています.本やノートも重いし,ラップトップもその周辺機器もほとんど使わないのに充電できる場所を探して貴重な空き時間のほとんどを費やします.
何とか軽量化しようと,高価なラップトップに置き換えたり,iPadに乗り換えたり,書類を電子化するためにスキャナーを買ったり,やる事と時間と経費がキリ無く増大していきます.これが物の奴隷ということです.
次に思いついたのは,大きさと重さを最小限にして,多機能で優れて非の打ち所の無い「一生モノ」で固めよう.これを実行するのにはさらに多大な労力と時間と経費がかかります.ある程度まで完成したころには,全体的に古いものばかりになり,技術的にも便利なものが出てきて陳腐化していきます.
恐らく,このような物との小競り合いは一生を終えるまで続くことでしょう.
本書の著者は賢く,このような物との争いは敬遠し,潔くPCは捨て,記念アルバムや家具や昔の手紙から仕事の記録も使い終われば全て廃棄し,本当に使う物のみだけ残しています.
ここまで来ると物質主義の現代的生活に真っ向から対決しているようにも見えますが,自分を中心に据えて物との付き合い方を真剣に考えた上で行動に移すと,こういう生き方が答えになるのかも知れません.
おもしろおかしく読めますが,深く考えさせられますので良書とします.
「なんか捨てるものないかなあ」
という生き方,共感できます.でも,ここまで潔く捨てきることはできないなあ.
今日はこれまで.ではまた.
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