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自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

宝永(ほうえい)年間 地震,噴火の時代 ひょっとして「今」と似ている?

忠臣蔵の元禄を紹介しました.元禄の次の宝永は興味深いので紹介します.この頃は地震や噴火など災害が多発しました.前の元禄の平和がうそだったように,急に雲行きが怪しくなりました.1703年11月22日の元禄地震を受けて宝永と改元しました.それでも,大災害が続きます.幕府は様々な政策で対応しようとしています.通貨政策や税政による対応が顕著です.

宝永年間の出来事

宝永元年 1704年

4月24日 羽後,陸奥地震,野代(現在の能代市周辺)で大被害がでました.

宝永2年 1705年

10月6日 徳川吉宗紀州藩の第5代藩主になりました. 12月15日 霧島連山高千穂峰御鉢が噴火しました. 12月 桜島が噴火しました. 京都を中心にお蔭参りが大流行しました.

宝永3年 1706年

1月11日 柳沢吉保大老格になりました. 7月9日 寶字銀の通用を開始しました. 10月16日 浅間山が噴火しました.

宝永4年 1707年

7月12日 善光寺本堂を再建しました. 10月4日 遠州灘紀州灘で推定M8.4の大地震(宝永の大地震)が起きました. 10月13日 藩札の発行を禁止し,50日以内に正貨との引替回収を命じました. 11月23日 富士山が大噴火(宝永大噴火)し,宝永山ができました.江戸でも数センチの降灰がありました.

宝永5年 1708年

閏1月7日 「諸国高役金令」を公布し,宝永大噴火による灰除け金として石高100石に付き金2両を徴集しました. 3月8日 京都で宝永の大火があり,禁裏をはじめ1万0351軒を焼失しました. 4月 寳永通寳の通用を開始しました. 11月18日 浅間山が噴火しました.同月28日にも再噴火しました.

宝永6年 1709年

1月4日 阿蘇山が噴火しました. 1月17日 前年からの寳永通寳を通用停止しました. 1月20日 5代将軍徳川綱吉の死去後10日で生類憐れみの令を廃止しました. 3月14日 岩木山と三宅島が同日に噴火しました. 3月21日 奈良東大寺大仏殿を再建しました. 5月1日 徳川家宣に将軍を宣下.

宝永7年 1710年

3月6日 永字銀の鋳造を開始しました. 3月15日 浅間山が噴火しました. 4月15日 乾字金の通用を開始しました.

宝永8年 1711年

2月26日 浅間山が再噴火しました.

宝永年間はよくみればみるほど,ここ数年の日本の状況と似ています.平和で穏やかだった時代が,一転して噴火,地震,通貨問題など自然災害,社会問題の時代に入ったように見えます.将軍綱吉が死去すると即刻生類憐みの令が廃止されました.人々が生きることに必死で,生類を憐れんでいる余裕も無くなったのかも知れません.

この時代を深く学ぶことで,現代における様々な災害問題やそれから起きる社会問題を解くヒントがあるかも知れませんね.

江戸時代の元号データ

元和1615-1624 寛永1624-1645 正保1645-1648 慶安1648-1652 承応1652-1655 明暦1655-1658 万治1658-1661 寛文1661-1673 延宝1673-1681 天和1681-1684 貞享1684-1688 元禄1688-1704 宝永1704-1711 正徳1711-1716 享保1716-1736 元文1736-1741 寛保1741-1744 延享1744-1748 寛延1748-1751 宝暦1751-1764 明和1764-1772 安永1772-1781 天明1781-1789 寛政1789-1801 享和1801-1804 文化1804-1818 文政1818-1831 天保1831-1845 弘化1845-1848 嘉永1848-1855 安政1855-1860 万延1860-1861 文久1861-1864 元治1864-1865 慶応1865-1868

今日はこれまで.ではまた.