昨日はハロウィンの起源とケルト人のお話でした.今日はハロウィンの広まりと現在のハロウィンについてのお話です.
ケルト人の風習であったハロウィンはキリスト教社会から見れば異教徒の風習なので,かなりの違和感があり警戒されてきました.
ハロウィンの広まり
キリスト教社会はハロウィンが異教徒の風習として認めて来ませんでしたし,現在もハロウィンを教会の祭としてはいません.ただし,教会や地域によってはパーティーやイベントを行う事もあります.
クリスマスがローマ帝国の太陽信仰からきた冬至の祭りから始まり,のちにキリストの生誕と置き換えられ取り込まれていったのに比べ,同様なハロウィンが今も取り込まれていないのは興味深い所があります.
現代のハロウィンブームはアメリカから起こりました.19世紀に起きたアイルランドとスコットランドからの移民達の中で行事として行われていたものが,20世紀初頭には米全土に広まりました.
1950年代になると「トリック・オア・トリート Trick or Treat」の合言葉が商業的に利用され,1980年以降はクリスマスの次に大きなイベントになりました.
そういう意味で,ハロウィンは最近始まったお祭りなのです.
日本のハロウィン
日本では1990年代後半から徐々に広まるようになり,2010年頃には急拡大しました.この背景には東京ディズニーランドのイベントやお菓子メーカーの商戦参入,SNSの普及があります.
日本では20代成人がコスプレするのでお菓子はもらえません.これはアメリカと違うパターンですが,日本は独自に風習が成長しているようです.
この行事が日本に定着して発展していくのか,それとも忘れ去られてしまうのか,バレンタインや恵方巻と同様に商業や経済とどのように結びついていくのかがキーポイントになりそうです.
今日はこれまで.ではまた.