昨晩は中秋の名月.そして,今日は満月です.
満月というのは一般に月が丸く輝く状態を指しますが,少し詳しく見ていきましょう.
満月(まんげつ) full moonとは
月と太陽の黄経差が180度となるその瞬間です.太陽と月が正反対側に位置する状態です.
これを望(ぼう)と称します.望月(ぼうげつ,もちづき),盈月(えいげつ)んどという表現もあります.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E6%9C%88
望と朔
望に対して,朔 new moonがあります.
朔とは月と太陽とが同じ方向にあり月の暗い面を向ける瞬間です.実際には太陽が輝いていている昼なので見えませんが,日食の時には月の暗い面が太陽を覆うように見えます.
月齢(げつれい) age of the Moon
朔の瞬間,つまり月が完全に逆光となり真っ暗に見える瞬間からの日数を月齢といいます.
月齢は朔,望に基づく天文学上の定義なので,地球上どこでも同じですが,地球上の各地域には時差があります.
通常と言えば,その地域の標準時正午の月齢を表しています.
満月(望)の月齢は14.8±1日(13.8-15.8日)となります.
月齢の端数を四捨五入して1を足せば旧暦の日付とだいたい一致します.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E9%BD%A2
月相 lunar phase
見かけの満ち欠けの形を表すのに月相が使われます.
新月(朔 0°) = 月相 0
上弦(90°) = 月相 7
満月(望 180°) = 月相 14
下弦(270°) = 月相 21
月の形が整数で表されるのでわかりやすいです.
月の輝く部分は,地球から見た月と太陽のなす角度によって決まります.
そこで,太陽と月の黄経差を月相と定義します.この角度を便宜的に一周360°を28として表します.
本来の満ち欠けの平均日数(平均朔望月)は29.530589日なのですが,28で割ります.
こうすることで,満月と半月を整数で表すことができます.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%88%E7%9B%B8
月齢と月相と満月と十五夜
月齢と月相はおおむね連動しています.
ただし,月の軌道が真円でなく楕円なので,公転中の速度が速くなったり遅くなったりしますので,厳密には一致していません.
さて,月相14が満月ですが,月齢は月齢は14.8±1日(13.8-15.8日)となります.
太陰太陽暦と太陰暦では月齢0を1日としているから月相14(満月)はプラス1の15日となります.
(旧暦1日=月齢0,旧暦2日=月齢1,…旧暦8日=月齢7:半月,…,旧暦15日=月齢14:満月)
このことから形式的に旧暦15日の夜の月(十五夜)が満月とされ,15日を望日と呼びました.
ただし,平均値±1日なので,満月が1日ずれることがあります.
これらの関連を現代暦の上で同時に考えると頭が混乱しますが,まず旧暦の世界だけで考えれば理解しやすくなります.
旧暦での大の月,小の月,閏月などの調整を理解するのは月齢0=1日の原則を理解したあとからの方がわかりやすいと思います.
今日はこれまで.ではまた.