山河海空

自然から日常生活まで,独自の視点でみていきます.

第31週の花 オニユリ(鬼百合)

オニユリ

7月,8月になるとオニユリを見かける様になります.オレンジ色に黒の斑点.おしべが花弁から長く飛び出しています.美しいというよりどぎつい色合いですが,自然界ではこれ位でないと目立たないのかもしれません.花は目立つために花になっているのですから.

オニユリ(鬼百合)という名前

鬼の面の赤い色は確かにオニユリの赤+黒斑点の色と似ています.

いずれにしても鬼は架空の存在なので,命名者がどの鬼を見てどのようなイメージをもっているかによります.

鬼にはチョット怖いイメージがあります.夏の午後,夕立の前兆でにわかに辺りが暗くなってきて,ゴロゴロ聞こえてくる時,野原でオニユリをみたら怖いですね.

ちなみに鬼は英語でデーモンです.でも,オニユリの英語名はタイガーリリーです.なぜか,鬼が虎に変わっています.色的には虎ではありませんが黒い斑点と怖い存在感が虎なのでしょうか?

オニユリは中国,日本,韓国,極東ロシアに自生しています.後に北アメリカに伝わりました.従ってタイガーリリーの名前の由来は「鬼百合」から来ている可能性が強いです.

強いてこじつければ,虎の牙と黄黒の縞模様が鬼のパンツにイメージが近いのかも知れません.鬼のイメージは風水から来ました.牛の角が頭に生えて,虎の牙を持ち,虎のパンツをはいたイメージです.長く突き出たおしべが牙に見えるのでしょうかね?想像が広がります(だいたい言葉の想像は裏切られますけど...).

あるいは米国の命名者が花のサンプルとして見たのが黄色に斑点のものだったのかも知れません.画像検索すると黄色いものもかなり出てきます.名前の由来は多くの誤解も含まれたりするので時が経つと忘れ去られてしまいます.

オニユリのデータ

目:ユリ目 Liliales 科:ユリ科 Liliaceae 属:ユリ属 Lilium 種:オニユリ L. lancifolium 学名:Lilium lancifoliumThunb. 英名:tiger lily

葉:互生,小さめの披針形,先端はゆるく尖る 特徴:葉の付け根に暗紫色の*ムカゴを作る.鱗茎は食用となる 花言葉:賢者,愉快,華麗,陽気

注:ムカゴ(零余子) 植物の栄養繁殖器官.地上部に生じる.葉腋や花序に形成され離脱後に新たな植物体となる.オニユリは葉が肉質となることにより形成される鱗芽ができる.

他に茎が肥大して肉芽となるものもある.これが芋.

今日はこれまで.ではまた.